6月に最新アルバム『Civic Jams』、8月にはジョン・タラボット、ホースパワー・プロダクションズ、ロレイン・ジェイムス、パリスをリミキサーにむかえたリミックス集『Civic Jams Remixes』をリリースしたダークスターが、同じく〈Warp〉と契約をし、勢いを増す次世代UKインディ/オルタナ・シーンの中でも、最大級の注目を集めるスクイッドによるリミックスを新たにリリースした。楽曲はMVも話題となった「Text」。原曲に漂う甘美な憂鬱はそのままに、遠くで鳴り響く電話の音、断続的なサイレンなどを取り入れた6分間に渡るドローンへと発展させている。

Darkstar - Text (Squid Remix)
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ツアーがキャンセルされてロックダウンしたばかりだったから、一日中原曲のパーツをいじって遊ぶという時間の使い方とは最高だと思ったんだよ。5人で一緒にいたのが、突然イギリス中に散らばってしまったので、結果のゲームのようにアイデアを伝えていく方法を考え出した。その結果、それぞれが持っている楽器や道具を使ったコラージュが完成したんだ。
- Squid

ダークスターは、アルバムを出すたびに、自分たちのサイキックな世界へと向かっていることに気づく。デビュー作『North』(2010) の内省的な広がりから、『News From Nowhere』(2013)のユートピア的な社会のヴィジョン、そして『Foam Island』(2015)では、イギリス北部のブレクジット前の独特なダイナミクスを表現している。彼らの最新作『Civic Jams』で臨んだのは、ブレグジット後の日常がかかえる傷心や美しさを捉えること、個人がどのように政治に携わることができるかというストレートに自身をさらけ出した内容であり、今まで以上に甘美な憂鬱を表現したトラックとウェイリーのひたむきなヴォーカルがうまく調和されている。ダンス・ミュージックを出自としながらも、ダンスフロアから遠ざかり、社会の現状に向き合いながら音楽を制作し続けてきたダークスターだからこそ出来る表現が結実した傑作だ。