All photos by 古溪一道 / Kazumichi Kokei
9月17日の東京・恵比寿のLIQUIDROOMは、隙間なく大勢の人で埋め尽くされていた。それもそのはず。ホースガール初の来日公演となる本ツアーは、追加公演を含む4公演がソールドアウト。東京LIQUIDROOMと大阪公演は機材エリアを開放して追加チケットを販売するまでに至った。名門レーベル〈Matador Records〉からリリースされたデビュー・アルバム『Versions Of Modern Performance』は、世界と同様に日本のオルタナ〜インディー・ロック・リスナーを丸ごと虜にし、彼女たちが未来のUSオルタナを先導するバンドになるのだと痛感させた。あれから2年、満を辞してのジャパンツアー開催ともあり、開演前からオーディエンスたちの期待の眼差しがステージに注がれていた。
この日のライブは、今年2月にリリースされた2ndアルバム『Phonetics On and On』の楽曲を中心に構成され、1stからは「Option 8」「Live and Ski」「Anti-glory」のみ選出された。
2作を跨いで、彼女たちはバンドの象徴でもあった音圧で攻めるノイジーなバンド・サウンドから距離を起き、ヤング・マーブル・ジャイアンツと急接近するような隙間だらけのミニマルなサウンドスタイルへと変化。新しいフェーズに突入したホースガールをお披露目するように、トップナンバー「Where’d You Go?」から歪みのないクリーンギターを凛と鳴らし、トリオ・バンドらしい等身大なアンサンブルを響かせた。
ノラ・チェン(g/vo)とペネロペ・ローウェンスタイン(g/vo)は楽曲ごとにメインボーカルや楽器(ギターだけでなくFender Bass VIも使用)をチェンジ。「Julie」では、ペネロペが歌いながら片手でシンセ、片手でギターを弾く姿も!そんなフロント2人を、ジジ・リース(ds)は軽快なリズムとパワフルなドラミングで支えながら楽曲ごとの色を塗り替え、ノイズに頼らない音圧を加える。必要なものを必要なだけ鳴らす。そんなバンド・サウンドだからこそ、3人の身から生まれるメロディや強弱そのものが豊かであることを示し、バンドとしての美しさを放っていた。
そして何より、ノラとペネロペのシンガーとしての魅力が際立っていた。淡々とした二人のヴォーカルは軽やかに絡み合い、美しいハーモニーを奏で、オーディエンスを絶えず魅了した。特に全編をユニゾンで歌う「In Twos」ではゆったりとしたムードの中で二声が溶け合っていく尊さと切ないギターアルペジオが相まって涙が誘われる。メロディの良さだけでなく、“歌がいい”バンドであるという再発見は、ウィルコやディアハンターを手がけた経歴を持つケイト・ル・ボンが、最新作のプロデュースを通して、 ホースガールのこの3人からしか生まれない、唯一無二の個性と強さを引き出した結果にほかならない。終演後、方々から「歌が良かった」と賞賛の声が上がっていたことも、ここにレポートしておきたい。
最後は多くのオルタナロック・ファンを射止めた代表曲「Anti-glory」でこの日一番の歓声を集め、「もしよかったら踊ってね」という一言ともに「2468」で場内をダンスフロアに変えて本編が終了。MCらしいMCはなく、曲の合間に時折「ありがとう」と添えるのみ、アンコールもなし。最初から最後までクールな3人組の、ライブバンドとしての強さと存在感を見せつけた一夜となった。
Text by 宮谷行美 / Ikumi Miyatani
Horsegirl Japan Tour T-shirts 2025
商品ページ:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=15344
※受注予約受付は2025年9月28日まで。商品のお届け予定は2025年10月中旬となります。
※受注生産商品につき、不良品以外のキャンセル/返品は不可となりますのでご注意ください。
※商品の特性上サイズに誤差がある場合がございますのでご了承ください。また発送後のサイズ変更は不可となりますのでご了承ください。
また、ホースガール直筆サイン入りセットリスト(東京公演)が1名様に当たるキャンペーンを、X(旧Twitter)にて実施中。詳細は下のリンクより。
https://x.com/beatink_jp/status/1969959839616111072
9月17日の東京・恵比寿のLIQUIDROOMは、隙間なく大勢の人で埋め尽くされていた。それもそのはず。ホースガール初の来日公演となる本ツアーは、追加公演を含む4公演がソールドアウト。東京LIQUIDROOMと大阪公演は機材エリアを開放して追加チケットを販売するまでに至った。名門レーベル〈Matador Records〉からリリースされたデビュー・アルバム『Versions Of Modern Performance』は、世界と同様に日本のオルタナ〜インディー・ロック・リスナーを丸ごと虜にし、彼女たちが未来のUSオルタナを先導するバンドになるのだと痛感させた。あれから2年、満を辞してのジャパンツアー開催ともあり、開演前からオーディエンスたちの期待の眼差しがステージに注がれていた。
この日のライブは、今年2月にリリースされた2ndアルバム『Phonetics On and On』の楽曲を中心に構成され、1stからは「Option 8」「Live and Ski」「Anti-glory」のみ選出された。
2作を跨いで、彼女たちはバンドの象徴でもあった音圧で攻めるノイジーなバンド・サウンドから距離を起き、ヤング・マーブル・ジャイアンツと急接近するような隙間だらけのミニマルなサウンドスタイルへと変化。新しいフェーズに突入したホースガールをお披露目するように、トップナンバー「Where’d You Go?」から歪みのないクリーンギターを凛と鳴らし、トリオ・バンドらしい等身大なアンサンブルを響かせた。
ノラ・チェン(g/vo)とペネロペ・ローウェンスタイン(g/vo)は楽曲ごとにメインボーカルや楽器(ギターだけでなくFender Bass VIも使用)をチェンジ。「Julie」では、ペネロペが歌いながら片手でシンセ、片手でギターを弾く姿も!そんなフロント2人を、ジジ・リース(ds)は軽快なリズムとパワフルなドラミングで支えながら楽曲ごとの色を塗り替え、ノイズに頼らない音圧を加える。必要なものを必要なだけ鳴らす。そんなバンド・サウンドだからこそ、3人の身から生まれるメロディや強弱そのものが豊かであることを示し、バンドとしての美しさを放っていた。
そして何より、ノラとペネロペのシンガーとしての魅力が際立っていた。淡々とした二人のヴォーカルは軽やかに絡み合い、美しいハーモニーを奏で、オーディエンスを絶えず魅了した。特に全編をユニゾンで歌う「In Twos」ではゆったりとしたムードの中で二声が溶け合っていく尊さと切ないギターアルペジオが相まって涙が誘われる。メロディの良さだけでなく、“歌がいい”バンドであるという再発見は、ウィルコやディアハンターを手がけた経歴を持つケイト・ル・ボンが、最新作のプロデュースを通して、 ホースガールのこの3人からしか生まれない、唯一無二の個性と強さを引き出した結果にほかならない。終演後、方々から「歌が良かった」と賞賛の声が上がっていたことも、ここにレポートしておきたい。
最後は多くのオルタナロック・ファンを射止めた代表曲「Anti-glory」でこの日一番の歓声を集め、「もしよかったら踊ってね」という一言ともに「2468」で場内をダンスフロアに変えて本編が終了。MCらしいMCはなく、曲の合間に時折「ありがとう」と添えるのみ、アンコールもなし。最初から最後までクールな3人組の、ライブバンドとしての強さと存在感を見せつけた一夜となった。
Text by 宮谷行美 / Ikumi Miyatani
Horsegirl Japan Tour T-shirts 2025
商品ページ:https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=15344
※受注予約受付は2025年9月28日まで。商品のお届け予定は2025年10月中旬となります。
※受注生産商品につき、不良品以外のキャンセル/返品は不可となりますのでご注意ください。
※商品の特性上サイズに誤差がある場合がございますのでご了承ください。また発送後のサイズ変更は不可となりますのでご了承ください。
また、ホースガール直筆サイン入りセットリスト(東京公演)が1名様に当たるキャンペーンを、X(旧Twitter)にて実施中。詳細は下のリンクより。
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