すべてはここから始まった...ダブステップ・シーンの金字塔にして〈Hyperdub〉の記念すべきカタログ1番

あなたがいま聴いているこの音楽は、2006年5月にイギリスで発売され、その後の音楽シーンで大きな影響力を持ち続けている...現在も、そして、この先もずっとそうあり続けるだろう、闇がじわじわと広がるように。この闇で打ち鳴らされるドラムとサブ(ベース)は人々...音楽のなかに力(フォース)を感じることができる人々...を深い闇の奥に引き寄せ、そして人々はこのリズムとベースの迷路から抜け出せなくなるだろう。(中略)当時の日本では"ダブステップ"という言葉が殆ど(音楽ファンだけでなく、それを紹介すべき音楽メディアにおいても)普及しておらず、このアルバムがリリースされても多くの音楽ファンは"(ブームが過ぎ去った)トリップホップの抜け殻"くらいに捉えていたように思う。それだけに、今回の再発売は大きな意味を持つ。今からでも聴いておくべき、重要なアルバムだから。

2012年に発売された国内盤CDの解説(故 飯島 直樹 著)[DISC SHOP ZERO]より一部抜粋