大阪で話題を呼んだ「BEATINK Listening Space」
音楽カルチャーを愛する、すべての人に向けた特別な空間が
11月末までの期間限定で、待望の東京上陸を果たした。
明治神宮・原宿へ場所を移した当会場でも、大阪に引き続き「曇りなき正確な音」を極限まで追求するスピーカー・ブランド
BWV による極上のリスニング体験が味わえる。もちろん、BEATINKの取り扱う膨大なカタログ〜新譜レコードをはじめ、レーベル・アーティストの特別なアパレルやグッズも週ごとに展開。コラボレーション企画も続々と予定されている。
好評だったインタビュー企画も継続し
今回も音楽やカルチャーを横断する多彩なゲストに話を伺っていく...
─────────────────────
Little Nap COFFEE STAND オーナー / 濱田さん
代々木公園エリアを代表する、言わずと知れたコーヒースタンド「Little Nap COFFEE STAND」と「Little Nap COFFEE ROASTERS」のオーナー。一流のバリスタでありながら、店内BGMは決まってレコードで流す生粋の音楽ラバーでもある濱田さんのお店には、無類の音楽好きやミュージシャンも自然と集まる引力がある。
フジロックでは、人気エリアの一つ「ピラミッドガーデン」にて継続的に出展し、今や「Little Nap COFFEE」は 同エリアの顔になっている。
HP :
https://littlenap.jp
instagram :
@hamadadaisuke
──────────
デザイナー・アーティスト / Asuka Watanabe
フリーランスのデザイナー / アーティストとして東京を拠点に多岐にわたり活動。
フジロックではキービジュアルを担当し、ポスターや各デザインをはじめ、入場ゲートや会場モニュメント / 展示作品も制作。毎年フォトジェニックで彩りのあるフジロックを創り上げている。
HP :
https://asukawatanabe.com
instagram :
@asuka_afo
─────────────────────
photo by kokoro (
@ookkro)
Little Nap COFFEE STAND オーナー/濱田さん ( 以下
H )
デザイナー・アーティスト/Asuka Watanabe ( 以下
A )
─────────────────────
今回は、フジロックにゆかりのあるお二人を招いて色々と伺って行きたいと思います。
まずはフジロックと関わるきっかけについて、お話をお聞かせください。
H ) 僕はリトルナップをオープンした当初、それまではちょくちょく遊びに行っていたフェスとかになかなか行けなくなって。ただ、SAKKAKUという映像・空間演出のチームと出会って、フィールド・オブ・ヘブンの装飾を手伝ったりはしてました。
ある時、僕のお店にイアン・ブラウンが来店して。ストーン・ローゼズが再結成してフジロックに出演した年(2012年)ですね。「オアシスよりも、俺はストーン・ローゼズが好きだ!! 」みたいな感じで話して、仲良くなって、その年のフジロックに家族で連れて行ってもらったんですよ。その翌年にはCANDLE JUNEさんから出展のお誘いもあって。ピラミッドガーデンが3年目くらいの時だったと思うんですけど、そこから10年くらい、ピラミッドガーデンでの出展やアーティストのブッキングもしています。
A ) 私はフジロックのポスターやデザイン周りを担当しています。けど、実はそれより前にケータリングをやっているMANGOSTEENの手伝いで、ピラミッドガーデンの初年度にフジロックと縁があって。
H ) そうなんですか! その頃はCANDLE JUNEさんが手探りで、あのエリアを盛り上げていましたね。
フジロックには様々なステージ・エリアがあると思いますが、ピラミッドガーデンの魅力はどんな所にありますか?
H ) ピラミッドガーデンには毎年、朝ごはんにパンケーキを食べたり、コーヒーを飲みに行ったり。
朝のピラミッドガーデンは空気も澄んでいて清々しい気分になりますよね。特別な居心地の良さがある気がします。
H ) 苗場プリンスホテルに近いのもあって、アーティストとかもフラっとお店に遊びに来るんです。そこで盛り上がって、第二の楽屋みたいになったりして。
A ) フェスの醍醐味ですね。
H ) そこで、GEZANとBRAHMANが意気投合して対バンが決まったり、TOSHI-LOWとハナレグミとかもそうですね。今年には「PYRAMID GARDEN -Beyond the Festival-」と題して、フジロック開催の1週間前に前夜祭を行いました。CANDLE JUNEさんの狂った発想ですね...。
A ) 決起祭には私も参戦しました。
楽しそうですね ! 多彩な出展者さんや各所で見られるオブジェやアートなど、音楽だけじゃない魅力的なポイントが多々あるのもフジロックの大きな醍醐味ですね。メインゲートではAsukaさんのデザインをバックに、実に多くの方が記念写真を撮っていたり。
A ) そうですね。フォトスポットみたいになって嬉しく思います。
お二人とも長く関わりのあるフジロックですが、中でも印象的なパフォーマンスはございますか?
A ) 大雨の中のエイフェックス・ツインですかね...。もうカッパも意味ないくらい土砂降りで、VJには当時話題だった野々村議員とかドラえもんなど、時事ネタや日本文化のパロディが詰め込まれていたのも印象的でした。
H ) あれはすごかったね...。
僕は去年のベス・ギボンズ。本当に幻想的で、印象に残ってます。ポーティスヘッドの曲とかもやっていて、最前で夢中になって観ていたら、いつの間にかベスの家族が隣に居たりして。あと、今年は山下達郎がやっぱりすごかったですね。
A ) グリーンステージにあんなに人が居たの、はじめてじゃないですか?
H ) フジロックも近年、日本人のレジェンド出演が飛び道具的に増えてますね。
以前までは、この流れはあんまり好きじゃなかったんですけど、実際に見るとやっぱり面白い。矢沢永吉!! 鈴木雅之!! みたいな。でも、僕らにとってツボとなる海外のアーティストは、きまってBEATINKだったりするから感謝してます。今年の朝霧もそうでしたよね。グラスビームス、ハイエイタス・カイヨーテ、アニー&ザ・コールドウェルズと、ヘッドライナーが「これもBEATINKか!!」みたいな感じでしたもんね。
朝霧JAMや他のフェスでも出展はされてますか?
H ) してますね。朝霧ではキャンプサイトでコーヒーを出したり。サマソニも過去に2回だけ出展しましたが、特に2018年は出演アーティストのラインナップが本当に豪華で。カマシ・ワシントン、トム・ミッシュ、サンダーキャット、ジョージ・クリントン、あとSOIL & "PIMP" SESSIONSも。ビーチ・ステージだったかな。
すごいラインナップですね...。
それでは、お二人のBEATINK推薦盤についても、お話を伺いたいと思います。
Asukaさんはヨ・ラ・テンゴ(Yo La Tengo)を選んでくれましたね。
A ) 『I Can Hear the Heart Beating as One』は、若い時にずっと聴いてました。渋いけど青春かもしれません。今持ってるアルバム『This Stupid World』は、一昨年かな... 同年のフジロックで、私がすごく好きなフィールド・オブ・ヘブンでのパフォーマンスを観られて感動しました。メンバー3人が入れ替わり、立ち替わりで歌って、楽器を演奏して。着飾らない感じやタイトルの皮肉っぽいところも好きです。
デザイナー・アーティストのAsukaさんにとって、ジャケやアートワークなどのヴィジュアル面で気になったレコードはありますか?
A ) なんだろう。やっぱり〈WARP〉のアートワークは好きですね。
高校生くらいまではロックをずっと聴いていたんですが、ケミカル・ブラザーズやプライマル・スクリームを知った時は「なんだこれ!!」って感じで、〈WARP〉もその頃から聴くようになりました。
まだネットが普及してない頃で、CDショップに通っていて。WAVEってお店が好きで、そこのフリーペーパーに付箋を貼ったり、解説をスクラップして、またお店に行って探したり。当時は解説とかの文章とジャケで判断するのがほとんどで、〈WARP〉の不気味なグラフィックには惹かれましたね。
H ) 僕は〈WARP〉や〈Ninja Tune〉を知った時、ちょうどイギリスに遊びに行ってて。
COLD CUTがとにかく革新的で。ドアのしまる音とか、車のエンジン音とかをサンプリングして。それがとにかく衝撃的で、エレクトロニカにハマっていく瞬間でしたね。
あとは、ピーターローレンス (Pete Lawrence) って人がはじめた「Big Chill」ってフェスがあって、それが面白くって。夢や妄想を出発点に現実に再現したようなフェスで、お客さんも8000人くらいで制限して、ピースフルで商業的でもなくて。その時は、フォー・テット (Four Tet) の横で、シネマティック・オーケストラ (The Cinematic Orchestra) が演奏してたり。当時のUKアンダーグラウンド最前線が集まっていて、マシュー・ハーバート (Matthew Herbert) がハンバーガーを壁に投げつけて、その「びちゃっ」って音をサンプリングしてたり...。そこで、ミックスマスター・モリス (Mixmaster Morris) と仲良くなって、僕の地元に来てもらって、一緒にDJもしました。25 - 26歳くらいの時です。
A ) すごい体験ですね..。
H ) バーとかもゆとりがあって、ご飯も美味しくて。そこではカントリーみたいな音楽を演奏してる人も居るし、ずっと絵を描いている人も居たり。あれ以上のフェスはないってくらい最高でしたね。
濱田さんは推薦盤にベス・ギボンズ『Lives Outgrown』を挙げてくださいました。先程フジロックでの話にも挙がった同アーティストですが、濱田さんの音楽への導入はフェスでしたか?
H ) いや、ライブハウスですね。パンクとかロカビリーとかが好きでした。その後、ブリストルに関心を持つようになって、それこそポーティスヘッド (Portishead) とか、マッシヴ・アタック (Massive Attack) やアンダーワールド (Underworld) とか。アンダーワールドのメンバーはデザイン集団のTOMATOを組んでいたり、そういう集団的に何かを創る感じも魅力的で、音楽だけではない世界に対しての興味や想像力も、その時に出来上がった気がします。
A ) ブリストル出身のアーティストってやっぱり、ロンドンとかと違いますよね。ベースミュージックというか、ダウナーというか。
H ) そこには意外にも、シンガーソングライターみたいな人も居て。盛んなのはベースミュージックですけど、すごくポップで明るいジプシー音楽を演ってる人とかも居たり。ただ、当時は暗い音楽が好きで、世の中がどんどん明るくなっていく瞬間から、反動的に陰の部分に入っていくというか。派手じゃない感じが好きでした。ヨ・ラ・テンゴとかもそうですよね。
A ) そうですね、やりすぎない美学というか...。なんなんですかね、当時の90年代後半は独特な感じがありましたね。
H ) みんなで小室哲哉を聴いているのを横目に見ながら (笑)
A ) そうそう! 完全に二分化されているような、もちろん間にも色々あったと思うんですけど、結構分かれてましたよね (笑)
H ) 特に20代とかは、人が聴いてない音楽を探してましたね。
お店で流す音楽とかも、みんなが聴いているものよりは、静かに面白いと思えるものを選んでますし、20代からそれを続けてきて、そこに引っかかる人が必ず居て、音楽だけではない繋がりもできました。いろどりを変に加えすぎていない、自分で考える力を設けさせてくれるような、余白のある音楽が魅力的だなぁと、今でも思ってます。
大阪で話題を呼んだ「BEATINK Listening Space」
明治神宮・原宿へ場所を移した当会場でも、大阪に引き続き「曇りなき正確な音」を極限まで追求するスピーカー・ブランド BWV による極上のリスニング体験が味わえる。もちろん、BEATINKの取り扱う膨大なカタログ〜新譜レコードをはじめ、レーベル・アーティストの特別なアパレルやグッズも週ごとに展開。コラボレーション企画も続々と予定されている。音楽カルチャーを愛する、すべての人に向けた特別な空間が
11月末までの期間限定で、待望の東京上陸を果たした。
好評だったインタビュー企画も継続し
今回も音楽やカルチャーを横断する多彩なゲストに話を伺っていく...
─────────────────────
Little Nap COFFEE STAND オーナー / 濱田さん
代々木公園エリアを代表する、言わずと知れたコーヒースタンド「Little Nap COFFEE STAND」と「Little Nap COFFEE ROASTERS」のオーナー。一流のバリスタでありながら、店内BGMは決まってレコードで流す生粋の音楽ラバーでもある濱田さんのお店には、無類の音楽好きやミュージシャンも自然と集まる引力がある。
フジロックでは、人気エリアの一つ「ピラミッドガーデン」にて継続的に出展し、今や「Little Nap COFFEE」は 同エリアの顔になっている。
HP : https://littlenap.jp
instagram :@hamadadaisuke
──────────
デザイナー・アーティスト / Asuka Watanabe
フリーランスのデザイナー / アーティストとして東京を拠点に多岐にわたり活動。
フジロックではキービジュアルを担当し、ポスターや各デザインをはじめ、入場ゲートや会場モニュメント / 展示作品も制作。毎年フォトジェニックで彩りのあるフジロックを創り上げている。
HP : https://asukawatanabe.com
instagram : @asuka_afo
─────────────────────
photo by kokoro (@ookkro)
Little Nap COFFEE STAND オーナー/濱田さん ( 以下 H )
デザイナー・アーティスト/Asuka Watanabe ( 以下 A )
─────────────────────
今回は、フジロックにゆかりのあるお二人を招いて色々と伺って行きたいと思います。
まずはフジロックと関わるきっかけについて、お話をお聞かせください。
H ) 僕はリトルナップをオープンした当初、それまではちょくちょく遊びに行っていたフェスとかになかなか行けなくなって。ただ、SAKKAKUという映像・空間演出のチームと出会って、フィールド・オブ・ヘブンの装飾を手伝ったりはしてました。
ある時、僕のお店にイアン・ブラウンが来店して。ストーン・ローゼズが再結成してフジロックに出演した年(2012年)ですね。「オアシスよりも、俺はストーン・ローゼズが好きだ!! 」みたいな感じで話して、仲良くなって、その年のフジロックに家族で連れて行ってもらったんですよ。その翌年にはCANDLE JUNEさんから出展のお誘いもあって。ピラミッドガーデンが3年目くらいの時だったと思うんですけど、そこから10年くらい、ピラミッドガーデンでの出展やアーティストのブッキングもしています。
A ) 私はフジロックのポスターやデザイン周りを担当しています。けど、実はそれより前にケータリングをやっているMANGOSTEENの手伝いで、ピラミッドガーデンの初年度にフジロックと縁があって。
H ) そうなんですか! その頃はCANDLE JUNEさんが手探りで、あのエリアを盛り上げていましたね。
フジロックには様々なステージ・エリアがあると思いますが、ピラミッドガーデンの魅力はどんな所にありますか?
H ) ピラミッドガーデンには毎年、朝ごはんにパンケーキを食べたり、コーヒーを飲みに行ったり。
朝のピラミッドガーデンは空気も澄んでいて清々しい気分になりますよね。特別な居心地の良さがある気がします。
H ) 苗場プリンスホテルに近いのもあって、アーティストとかもフラっとお店に遊びに来るんです。そこで盛り上がって、第二の楽屋みたいになったりして。
A ) フェスの醍醐味ですね。
H ) そこで、GEZANとBRAHMANが意気投合して対バンが決まったり、TOSHI-LOWとハナレグミとかもそうですね。今年には「PYRAMID GARDEN -Beyond the Festival-」と題して、フジロック開催の1週間前に前夜祭を行いました。CANDLE JUNEさんの狂った発想ですね...。
A ) 決起祭には私も参戦しました。
楽しそうですね ! 多彩な出展者さんや各所で見られるオブジェやアートなど、音楽だけじゃない魅力的なポイントが多々あるのもフジロックの大きな醍醐味ですね。メインゲートではAsukaさんのデザインをバックに、実に多くの方が記念写真を撮っていたり。
A ) そうですね。フォトスポットみたいになって嬉しく思います。
お二人とも長く関わりのあるフジロックですが、中でも印象的なパフォーマンスはございますか?
A ) 大雨の中のエイフェックス・ツインですかね...。もうカッパも意味ないくらい土砂降りで、VJには当時話題だった野々村議員とかドラえもんなど、時事ネタや日本文化のパロディが詰め込まれていたのも印象的でした。
H ) あれはすごかったね...。
僕は去年のベス・ギボンズ。本当に幻想的で、印象に残ってます。ポーティスヘッドの曲とかもやっていて、最前で夢中になって観ていたら、いつの間にかベスの家族が隣に居たりして。あと、今年は山下達郎がやっぱりすごかったですね。
A ) グリーンステージにあんなに人が居たの、はじめてじゃないですか?
H ) フジロックも近年、日本人のレジェンド出演が飛び道具的に増えてますね。
以前までは、この流れはあんまり好きじゃなかったんですけど、実際に見るとやっぱり面白い。矢沢永吉!! 鈴木雅之!! みたいな。でも、僕らにとってツボとなる海外のアーティストは、きまってBEATINKだったりするから感謝してます。今年の朝霧もそうでしたよね。グラスビームス、ハイエイタス・カイヨーテ、アニー&ザ・コールドウェルズと、ヘッドライナーが「これもBEATINKか!!」みたいな感じでしたもんね。
朝霧JAMや他のフェスでも出展はされてますか?
H ) してますね。朝霧ではキャンプサイトでコーヒーを出したり。サマソニも過去に2回だけ出展しましたが、特に2018年は出演アーティストのラインナップが本当に豪華で。カマシ・ワシントン、トム・ミッシュ、サンダーキャット、ジョージ・クリントン、あとSOIL & "PIMP" SESSIONSも。ビーチ・ステージだったかな。
すごいラインナップですね...。
それでは、お二人のBEATINK推薦盤についても、お話を伺いたいと思います。
Asukaさんはヨ・ラ・テンゴ(Yo La Tengo)を選んでくれましたね。
A ) 『I Can Hear the Heart Beating as One』は、若い時にずっと聴いてました。渋いけど青春かもしれません。今持ってるアルバム『This Stupid World』は、一昨年かな... 同年のフジロックで、私がすごく好きなフィールド・オブ・ヘブンでのパフォーマンスを観られて感動しました。メンバー3人が入れ替わり、立ち替わりで歌って、楽器を演奏して。着飾らない感じやタイトルの皮肉っぽいところも好きです。
デザイナー・アーティストのAsukaさんにとって、ジャケやアートワークなどのヴィジュアル面で気になったレコードはありますか?
A ) なんだろう。やっぱり〈WARP〉のアートワークは好きですね。
高校生くらいまではロックをずっと聴いていたんですが、ケミカル・ブラザーズやプライマル・スクリームを知った時は「なんだこれ!!」って感じで、〈WARP〉もその頃から聴くようになりました。
まだネットが普及してない頃で、CDショップに通っていて。WAVEってお店が好きで、そこのフリーペーパーに付箋を貼ったり、解説をスクラップして、またお店に行って探したり。当時は解説とかの文章とジャケで判断するのがほとんどで、〈WARP〉の不気味なグラフィックには惹かれましたね。
H ) 僕は〈WARP〉や〈Ninja Tune〉を知った時、ちょうどイギリスに遊びに行ってて。
COLD CUTがとにかく革新的で。ドアのしまる音とか、車のエンジン音とかをサンプリングして。それがとにかく衝撃的で、エレクトロニカにハマっていく瞬間でしたね。
あとは、ピーターローレンス (Pete Lawrence) って人がはじめた「Big Chill」ってフェスがあって、それが面白くって。夢や妄想を出発点に現実に再現したようなフェスで、お客さんも8000人くらいで制限して、ピースフルで商業的でもなくて。その時は、フォー・テット (Four Tet) の横で、シネマティック・オーケストラ (The Cinematic Orchestra) が演奏してたり。当時のUKアンダーグラウンド最前線が集まっていて、マシュー・ハーバート (Matthew Herbert) がハンバーガーを壁に投げつけて、その「びちゃっ」って音をサンプリングしてたり...。そこで、ミックスマスター・モリス (Mixmaster Morris) と仲良くなって、僕の地元に来てもらって、一緒にDJもしました。25 - 26歳くらいの時です。
A ) すごい体験ですね..。
H ) バーとかもゆとりがあって、ご飯も美味しくて。そこではカントリーみたいな音楽を演奏してる人も居るし、ずっと絵を描いている人も居たり。あれ以上のフェスはないってくらい最高でしたね。
濱田さんは推薦盤にベス・ギボンズ『Lives Outgrown』を挙げてくださいました。先程フジロックでの話にも挙がった同アーティストですが、濱田さんの音楽への導入はフェスでしたか?
H ) いや、ライブハウスですね。パンクとかロカビリーとかが好きでした。その後、ブリストルに関心を持つようになって、それこそポーティスヘッド (Portishead) とか、マッシヴ・アタック (Massive Attack) やアンダーワールド (Underworld) とか。アンダーワールドのメンバーはデザイン集団のTOMATOを組んでいたり、そういう集団的に何かを創る感じも魅力的で、音楽だけではない世界に対しての興味や想像力も、その時に出来上がった気がします。
A ) ブリストル出身のアーティストってやっぱり、ロンドンとかと違いますよね。ベースミュージックというか、ダウナーというか。
H ) そこには意外にも、シンガーソングライターみたいな人も居て。盛んなのはベースミュージックですけど、すごくポップで明るいジプシー音楽を演ってる人とかも居たり。ただ、当時は暗い音楽が好きで、世の中がどんどん明るくなっていく瞬間から、反動的に陰の部分に入っていくというか。派手じゃない感じが好きでした。ヨ・ラ・テンゴとかもそうですよね。
A ) そうですね、やりすぎない美学というか...。なんなんですかね、当時の90年代後半は独特な感じがありましたね。
H ) みんなで小室哲哉を聴いているのを横目に見ながら (笑)
A ) そうそう! 完全に二分化されているような、もちろん間にも色々あったと思うんですけど、結構分かれてましたよね (笑)
H ) 特に20代とかは、人が聴いてない音楽を探してましたね。
お店で流す音楽とかも、みんなが聴いているものよりは、静かに面白いと思えるものを選んでますし、20代からそれを続けてきて、そこに引っかかる人が必ず居て、音楽だけではない繋がりもできました。いろどりを変に加えすぎていない、自分で考える力を設けさせてくれるような、余白のある音楽が魅力的だなぁと、今でも思ってます。