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Hand To Mouth / 廣永尚彦さん ー 音楽カルチャーを愛するすべての人に向けた、東京・原宿の『BEATINK Listening Space』

2025.11.11

Hand To Mouth / 廣永尚彦さん ー 音楽カルチャーを愛するすべての人に向けた、東京・原宿の『BEATINK Listening Space』

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Hand To Mouth / 廣永尚彦さん ー 音楽カルチャーを愛するすべての人に向けた、東京・原宿の『BEATINK Listening Space』

大阪で話題を呼んだ「BEATINK Listening Space」
音楽カルチャーを愛する、すべての人に向けた特別な空間が
11月末までの期間限定で、待望の東京上陸を果たした。


明治神宮・原宿へ場所を移した当会場でも、大阪に引き続き「曇りなき正確な音」を極限まで追求するスピーカー・ブランド BWV による極上のリスニング体験が味わえる。もちろん、BEATINKの取り扱う膨大なカタログ〜新譜レコードをはじめ、レーベル・アーティストの特別なアパレルやグッズも週ごとに展開。コラボレーション企画も続々と予定されている。

大阪開催時に好評だったインタビュー企画も継続し、今回も音楽やカルチャーを横断する多彩なゲストに話を伺っていく...
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「Hand To Mouth」オーナー・廣永尚彦さん

品川の1号店から目黒区に場所を移したリサイクルショップ「Hand To Mouth」。
リサイクルショップとは謳いながらも、オーナー・廣永さんの活動を説明するのは一筋縄ではいかない。
今までにも数々の企画を通して、リサイクルショップの枠を大きく超え、既存の購買体験を再構築してきた廣永さんは、先月には「あらゆる製品、作品のデザイナーに敬意を。」と銘打って、匿名ゲストを招いた実験販売企画「DESIGNER PRODUCT MARKET」の第2弾を2年半ぶりに開催。また、先日のaudio-technica主催「Analog Market」では、古物エリアをキュレーションして、レコードだけではない「アナログ」の魅力を提示している。
こうした活動の源流に、欠かせない要素として音楽を据えている廣永さんは「〈WARP〉で育った」と語るほど生粋の音楽ラバーでもあると知って「BEATINK Listening Space」にて話を伺った。
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明日から、また買い付けに向かうとの事ですが
買い付けでの車移動など、音楽は聴かれますか?

ー ずっと聴いてますね。もうずっとかもしれないです。でも、学生の時の方がもっとやばかったですね。お金が入れば、音楽と洋服に全部突っ込んでいました。
買ってもいたんですけど、大阪にK2レコードっていうレンタル屋さんがあって。東京だと有名なジャニスっていう場所が、お茶の水にあって、もう何でも置いてあるんです。ない音源はひとつもないっていうぐらいで、マニアックな限定のやつとかも「失くしたら数万いただきます」とか書かれてたり。
そこで、毎回行く度に 100枚以上とか借りて。全部CD-Rに焼いて。あとはその当時持ってたiPod classicの160ギガにパンパンに入っていましたね。多分総額100万円分ぐらいの音楽が入ってる状態だったと思うんですよ。体感的に。
枚方から梅田付近までの学校通学も 1時間半とかあったんで、ずっと音楽聴いて、ちょっと気持ちがぐったりした時とかは、この曲聴いて、とかを1曲ずつ。自分用のDJしてるみたいな事を1人でずっとやってました。


ぐったりしてる時は、どういう音楽を?
ー シガーロスとか...あとはエレクトロニカ全般を。
逆に気分をあげたい時は、バトルスの「SZ2」とか。

暗い曲調かもしれませんが、あの人力での高速ドラムは、心の重心を整えてくれつつ、躍らせてくれて、明るい気持ちになります。バトルスは3枚目ぐらいまでは、めっちゃヘビーローテーションで聴いていて。4人しかいないのに、この音の数、なんかやばいな、異様だなって。タイヨンダイも、声が楽器として使われてたり、ああいう実験的な試みが、すごく面白かったですね。
2007年のフジロック、ホワイトステージでのバトルス、ボアダムスの並びはホントすごかったですね。会場の異様な空気感、緊張感、危うさは、未だ塗り替えられてない気がしてます。


2007年にリリースされた1stアルバム『Mirrored』など、もう20年近く前の作品になりますが、バトルスの作品は今聴いても、とても新鮮に感動を覚えます。
ライブも好評ですね。今年3月には台湾の「MEGAPORT FESTIVAL」に参戦してました。

ー コアな 2人が残ってますもんね。あの手の音楽を長く聴かせ続けてるってすごいです。なんと言っても、ジョン・スタニアーさんの体力も凄い。

ライブや音楽イベントは結構行かれますか?
ー もう、しょっちゅう行ってました。それこそ、行ってたイベント自体がBEATINKさんの主催というのは、後から知りました。エレクトラグライドも、ソナーも。5年くらい前の〈WARP〉30周年のイベントも、もちろん行きました。

最近のアーティストや音楽はどこで情報をキャッチしますか?
ー 最近は、夜中に急に、ある一曲をサブスクで聴いて、はまって、掘って、CD買って、みたいな感じです。サブスクのつまみ食いではなく、アルバム全体に対する作者の想いや、曲順へのこだわりなど、ライナーノーツを読んだり感じたりしたいですから。
あとは、やっぱり直接の人との出会いですね。それこそ、先日「BEATINK Listening Space」でアーティストのコッペさんと出会って、「Hand To Mouth」のステッカーをお渡ししたら、おでこに貼って下さったりと気さくな方で話が進むうちに、これまでのコラボレーター陣がすごいメンツだったりして。この『Feorm Falorx』のPlaidであったり、Frank BretschneiderやAtom TMともコラボしてたり。
しばらく前からハマっているのは、ブラック・カントリー・ニュー・ロード。やっぱり、かっこいいですね。新しいバンドとしては彼らがホントに好き。近所に住んでいるBEATINKのスタッフさんに教えてもらいました。



人との出会いを介した音楽の情報は不思議と記憶に残りますね。
若い方たちに出会って音楽の話題になったら、どんなアーティストや作品をお勧めしますか?

ー うーん...難しいですね。
聴きやすさもあり、アングラとのバランスが良いのはジェイムス・ブレイクですかね。
そこから、ポップにもダブにもエレクトロニックな分野にも、色々な方向に派生できると思いますし。
もちろん、バトルスもお勧めしたいです。


ご来場の際には、アークティック・モンキーズや、ザ・エックス・エックスのレコードにも反応されていましたが、元々はロックを導入に、バトルスにも傾倒されたのですか?
ー 高校生の時はバリバリ〈Rough Trade〉でしたね。もう、リバティーンズとか。毎日、CDが擦り切れるくらい聴き入っていました。
ただ、バトルスとかは別経由で、スクエアプッシャーやオウテカなど、テクノとかエレクトロニックの延長で好きになりましたね。


往年の〈WARP〉を支えてきたアーティストですね。
お話を伺って、特に〈WARP〉所属のアーティストに詳しい印象を受けましたが、レーベルとの出会いなども教えてください。

ー 7個上の姉がいて、それこそ〈WARP〉や〈Raster-Noton〉〈op.disc〉などに熱中していたので、学生の頃から存在は知っていました。僕自身は18〜19歳の時に、ファッション専攻で6個上の同級生がいたりして、めちゃくちゃ音楽オタクの人で詳しかったんですけど、その人がスクエアプッシャーの「A Journey To Reedham」を教えてくれて。その曲の構成が、まぁえげつないんですよ。それを聴いた時の、あのゾクゾクした感覚は今も忘れません。本当に衝撃的でした。この曲は爆音で聴かないと、良さに辿り着けない気がします...。

レーベル単位で音源をチェックしたりはされますか?
ー 実はそんなこともなくて。自然と、選んできた音楽の背景に〈WARP〉があったっていう感じで。僕はそっちの方が好きなのかもしれないですね。
やっぱり〈WARP〉の作品ってもちろん良いんですけど、先入観を持ちすぎると、こう、消費されていってしまう部分もあると思いますし。「〈WARP〉が今プッシュしてる」ってなったら、僕自身も気になりますし、それもいいとは思いますが...。
ただ、入り口としては、感覚的に聴いてた作品が「これも〈WARP〉だった」みたいな方が、僕は正当だなと思ってますし、僕のお店でも、そういうのを理想としています。


結果的な受け皿として〈WARP〉があったんですね。
感覚的に掘って、選んだ先にレーベルがある。というのが本来のレーベルとしてのあり方かもしれません。

ー そうですね。ただ消費のために使われる購買意欲のあり方とか、関わり方じゃなくて。
実際に、いい音を作っている人たちを抱えてるのは確かなんですけど。〈Brainfeeder〉とか〈Ninja Tune〉も。
「Hand To Mouth」でも、モノを集めている段階からのノンバイアスな姿勢や、店舗での陳列の際にも商品の肩書きには一切触れないように意識しています。
音楽的で抽象性を好む方に楽しんでもらえるように創っており、時代の流れによってどんなに売れづらくなろうが、このノンバイアスのやり方は覆しません。
レーベル、アーティストやクリエイターにとって、そうした本質的な聴かれ方、楽しまれ方が一番嬉しいのではないかなと思っています。


音楽を掘っていくと、その背景を知ることで得られる新しい出会いもあれば、
未知の音楽に感覚的に触れて、振り返ると自身の聴いていた音楽と繋がる事もあります。
どちらも有無言えぬ喜びの瞬間だと思います。

ー そうですね。もちろんどちらも必要なあり方だと思います。
それこそ、学生の時はライナーノーツを読み漁ってました。

ただ、今は情報過多な時代で、うまく付き合うことが大事だと。
以前「Hand To Mouth」で、オンラインとオフラインの関係性をテーマに企画をした際は、オンラインショップでは、あえてわかりづらい情報を載せて、オフライン(実店舗)で実際に見て、触れてもらう。新しい相互循環を意図しました。
オンラインストアが乱立して、便利 "すぎる" 世の中に対してっていう気持ちがあったので、カメラマンさんにも、本来モノを売る為の商業的な物撮りに対して、わざと「売れないように写真を撮ってください」って依頼したりして...。これも、エクスペリメンタル・ミュージックばっかり聴いていた影響もあったりします。背景や用途を知りすぎてしまうと、どうしても限定された見方になってしまうので。肩書きの違う部分が評価されてしまう。
全てのデザイナー、クリエイターをリスペクトした上で、用途さえも分解して、新たな可能性を提案するようにしています。

他にも「Rhythm&Products」というプロジェクトでは、店舗自体を「アーティスト」、全ての商品を「楽器」として見立て、「モノから出る音」をテーマに、エフェクターや加工を極力行わずにライブ演奏で電子音楽のようなアプローチを行ったりもしました。インテリアやモノを、また別の側面で「サウンド」として選んで買ってみませんか?みたいな感じで。「用途さえも分解して」というのは、こう言った意味だったりします。


実際にお店に出向いて聴いて探して発見して
そういったフィジカルな体験は、多くの人々に共通して豊かさをもたらしてくれると思います。

ー そうですね。デジタルとの付き合い方もハイブリッドな方法を探っていけたら、もっとうまくフィジカルと共存できると思います。
感覚と行動に従い、人間らしく生きるのが今後を生き抜くヒントだと思っています。
その為にオフラインストア(実店舗)がありますし、セックス・ピストルズやプラスティックス等もお店から生まれています。
僕のお店も "何か" を生み出せるように、今を必死に生きてます。


「BEATINK Listening Space」も、BWVの協力のもと、圧倒的な音響が体験できます。ライブの高揚感とはまた違う、フラットに音と向き合える空間として、この会場が機能して欲しいと思います。
ー 本当に素敵な空間だと思います。贅沢な音響の中、感動的で刺激的な夜でした。実際、ウルッときましたし。
音楽の良さ、音響の良さが揃うと、感情的で人間的な部分が引き出されます。
僕の活動において、音楽は切っても切り離せない事を改めて確認出来ました。
今日はどうもありがとうございました。

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【BEATINK推薦盤/Hand To Mouth/廣永尚彦さん】
スクエアプッシャーについて

もう何回もライブ見に行ってますけど。
「Iambic 9 Poetry」って曲がもう本当に最高で。生演奏で。

鬼才です。誰が "鬼才" って表現しはじめたのだろう。しっくりくる。
小野島大さんの解説より「エレクトロニック・ミュージックが必ずしも “無機質” で “コンピュータ主導” のものである必要はない、という新しい視点を提示したのである。」と、ありますが、これこそまさに、今ちょうど僕がやろうとしている活動と近いですね。「電子音から有機的な部分を抽出できないか」みたいな話とか。

FKAツイッグスについて
アルバム『Magdalene』の最後の曲「cellophane」は、妻との大事な思い出が詰まった曲なんです。やっぱりいいですね...。最後のレコード特有のプチプチ音まで最高です。

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BEATINK Listening Space
住所 : 東京都渋谷区神宮前1-12-3 パティオビル Authors Harajuku B1F
開催期間 : 2025年11月1日(土)〜11月30日(日) ***11:00〜20:00(火曜定休)
Instagram : @beatink_listening_space
X : @Beatink_LS
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Hand To Mouth (ハンド・トゥ・マウス)
目黒区中町に実店舗を構える。
主にインテリア、ファッションを扱う。
店主が全国津々浦々から一品一品蒐集。

Physical Exデザイナーとしても活動する店主 廣永尚彦が
様々な企画を発案し、購買体験型の"リサイクルショップ"として"体験"を販売している。

最近では、資料性を高めた企画「店舗型図鑑」やSony Park Miniでの「On-Offline Store」、ゲストの作品、製品を匿名にし価値を探る実験販売企画「Designer Product Market」、店舗内の雑貨を楽器として用いた音楽ユニット「Rhythm & Products」の活動を行っている。

オフラインストア (実店舗) : 東京都目黒区中町1-35-8 1F
オンラインストア (近日リリース予定) : https://hand-to-mouth-online.com
Tel : 03-3785-0355

営業時間 : @htmtokyo または GoogleMap よりアナウンス

休 : 不定休

〈近日開催予定の企画〉
2025 11/21-25 :
Hand To Mouth Winter Pop Up at same gallery 品川区荏原4-6-7
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Rhythm & Products
(Hand To Mouth × HEW)
@htmtokyo, @hewehewehew

いらっしゃいませ。
店主 Hironaga(Hand To Mouth 代表)が
旅をして集めてきた収集品から出る音をその場のサンプリングで奏でるインタラクティブな音楽グループ。
店やモノが持つ新たな可能性や視点を拡げたいと活動する。

メンバーは
Hand To Mouth(Product Percussion)とHEW(Composer)を中心に
モノを通じて出会う新たな仲間とのセッションを繰り返す。

店舗ごとの活動で
不定形な構成を軸にUsed Products(商品)を使いインプビゼーションなアプローチで音の在り方、リズムを研究しアウトプットしていく。
ライブ中(実演)でも店内のモノは全て購入でき、楽器(商品)は増えたり減ったりする。

常に、メンバーは募集中。

2026年1月にRhythm&Productsとして初のEPをリリース予定している。

主な活動 :
2022 Sound "Sony Park Mini" 店内BGM制作
2023 Live "地べた音楽祭2023" U-zhaan共演
2023 Live "Pixel by 岩壁音楽祭"at Wall&Wall ZIN,ena mori共演
2024 Live "Toner 3周年パーティー Aoki takamasa共演
2025 Live "Toner 4周年パーティー ZIN共演

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