英国を代表するエレクトロ・ポップ・バンド
20年を超えるキャリアを総括するベスト・アルバムが発売!
「Ready For The Floor」、「Over and Over」といった
人気曲に加えて新曲「Devotion」も収録!
ダンサブルなサウンドと、一度聴いたら病みつきになるキャッチーなメロディ、フロントマンを務めるアレクシス・テイラーの特徴的な歌声で世界的人気を博すホット・チップ。マーキュリー賞ノミネート、ロンドンのブリクストン・アカデミーでの完売公演、さらにはブライアン・イーノ、デヴィッド・バーン、ジャーヴィス・コッカー、ロバート・ワイアットらとのコラボレーションなどを行ってきた彼らは、20年以上にわたり8枚のスタジオ・アルバムをリリースしながら、今なお変わらぬ存在感を放ち続けている。遊び心と深みを兼ね備え、常にグルーヴの中に生きるバンド--そんな彼らが、初のベスト・アルバム『Joy In Repetition』を〈Domino〉より9/5にリリースすることが発表された。
DIYな出発点からThe Guardian誌に「彼らの世代で最も偉大な英国のポップ・グループ」と称されるまでの芸術的進化を描く本作『Joy In Repetition』のタイトルは、彼らの代表曲「Over and Over」の歌詞と、アレクシス・テイラーが敬愛するプリンスの楽曲の両方に由来しており、ホット・チップの本質--リズムへの魅了、そしてそれを何度も何度も、みんなで作り上げていく歓び--を象徴している。
『Joy In Repetition』には、「Ready For The Floor」、「I Feel Better」、「Flutes」、「Over and Over」といった鉄板ダンス・チューンから、「Boy From School」や「Look At Where We Are」、「Melody of Love」のような繊細でメランコリックな楽曲まで、ホット・チップの感情のスペクトラムがすべて詰まっており、さらには新曲「Devotion」も収録している。そして本日、東京で撮影されたMVと共にその新曲が公開された。
Hot Chip - Devotion (Official Video)
配信リンク >>>
https://hotchip.ffm.to/devotion
アイス・キューブ、ブライアン・ウィルソンらを手がけたウィル・キンドリック(Will Kindrick)が監督を務め、日本で撮影されたこの映像は、「職人としての献身」をまったく異なる切り口で描いている。キンドリックはこう語る。
最近、日本での撮影が続いていて、“警備員(keibiin)”にすっかり魅了されてしまったんだ。あるとき電車を待っていたら、ホームに立っていた無表情の警備員が、腕を伸ばして、まるでライトセーバーのような棒を機械的に振っていて、人生で見た中でも最も集中した視線を向けていた。あの目には、職務への純粋な献身しかなかった。
それからというもの、毎朝雨の日も晴れの日も街に立ち、交通を誘導し、駐車を案内し、うっかり工事現場に入りそうな人々を守ってくれる、あの謙虚なヒーローたちのことを考えるようになった。ヘルメットの下にいる“ひとりの人間”はどんな人なのか?
このビデオは、世界中の献身的で勤勉な警備員たちに、感謝と敬意を込めて捧げる作品なんだ。
- Will Kindrick
ホット・チップにとって繰り返し(Repetition)とは、単なる作曲手法ではなく、一種の哲学でもある。「何かを何度も繰り返すことには歓びがある」とテイラーは語る。「リズムやグルーヴもそうだし、20年間も一緒に音楽を作り続けること自体にもね。今も僕たちはそれをやっているし、それを愛しているんだ」。
「レガシー(遺産)」という重苦しい言葉に彼らは抵抗を感じるかもしれないが、近年のHot Chipは自らの「本質」について静かに考えるようになっている。
彼らはフェスティバルでの人気者で、アウトサイダーたちに向けて活動してきたのだろうか?
それともインディー、ダンス、ポップのあいだに独自の道を切り拓いてきたのだろうか?
はたまた、機械仕掛けの世界に人間性を見出そうとするバンドだろうか?
あるいはPitchforkがかつて書いたように、「“エモーショナル・インテリジェンス”という概念を軸にバンドを構築できることを証明した存在」なのか?
そのすべてが正解なのだ。
『Joy In Repetition』は単なる回顧録ではない。それはHot Chipが、歓びと好奇心、そして互いに対する思いにいかに真摯に向き合い続けているかを記録した作品でもある。「昔の感覚にはもう戻れない。でも、それには安心感がある」とClarkeは語る。「これらのレコードには、僕らの記憶が詰まっているんだ。そして、すべてをつなげているのは、共有した体験なんだよ」