Y2K以降のポップソングを更新する革新作が誕生!!
現行NYオルタナ・シーンの新星
ウォーター・フロム・ユア・アイズが
最新作『It's A Beautiful Place』を8/22にリリース!
レイチェル・ブラウンとネイト・エイモスによる異色のコラボにしてNYを拠点とするウォーター・フロム・ユア・アイズ(以降WFYE)。
2023年の〈Matador Records〉からのデビュー作『Everyone’s Crushed』は批評家から高い評価を受け、同作はThe New York Times、The Guardian、Pitchfork、NME、Vogue、Wired、Rolling Stoneなどの年間ベストに選出され、WFYEは一躍ニューヨーク・オルタナティブ・シーンの中核となり、世界に誇るアンダーグラウンド・アーティストとしての地位を確立した。そんな彼らが、待望の最新作『It’s A Beautiful Place』を8月22日にリリースすることを発表した。また、アルバムからの先行配信曲「Life Signs」が、メンバーのレイチェル・ブラウンが監督を務めたMVとともに公開されている。
Water From Your Eyes - "Life Signs" (Official Music Video)
配信リンク >>>
https://wfye.mat-r.co/itsabeautifulplace
最新作『It’s A Beautiful Place』は、無重力のインストゥルメンタル「One Small Step」から幕を開ける。まるで「小さな一歩(=One Small Step)」が、ウォーター・フロム・ユア・アイズにとっての大きな飛躍を予感させるかのように。
このアルバムは、煌びやかなメガロポリス──時代や音楽スタイルを俯瞰で捉えた衛星画像のような作品であり、Y2K以降のポップソングを新たな視点で再構築する、壮大で意識的な旅路でもある。曲間に差し挟まれる短いインストゥルメンタルは、巨大で骨太な楽曲群を繋ぐポータルのように機能しており、「最終的には、時間と恐竜と宇宙についての作品になった」とネイトは語る。
「すべてがほんの一瞬の出来事にすぎないということを意識しながら、幅広いスタイルを提示したかったんだ。」
今作は前作までと同様、ネイトの自宅ベッドルームで制作された。前作の大きな反響からライブ活動を拡大したWFYEは、インターポールのサポート・アクトとしてツアーに同行した際には、メキシコ・シティで16万人の観客の前に立ち、本作の制作においても、より本格的なライヴ・バンドのダイナミクスを念頭に置いて、作曲とレコーディングを行った。「バンドと一緒に演奏していると、そのバンドを念頭に置いて作曲したくなる。WFYEのメンバーが地下室よりも大きな場所で演奏している姿を想像して曲を作ったのは、このアルバムが初めて。」と言うネイトの言葉通り、「Life Signs」はニューメタルのバックビートと、リズムカルだが平坦な語り口で始まり、まるで1997年のMTVの流れ(ブラン・ヴァン3000とケイクの合間に収まるような、ノスタルジックで雑多な90年代後半のポップ/オルタナティブカルチャー)を彷彿とさせる。その後、WFYEらしい崩れ落ちるような美しいコーラスへと展開する。「Nights In Armor」は、ジョン・フルシアンテばりの至福に満ちたストラトキャスターのギター旋風から、レイチェルの脆くも詩的なモノローグへと続いていく。
A面を締めくくるのは「You Don’t Believe In God?」。メンバーは2人とも教会に通って育ち、レイチェルはカトリック、ネイトは聖公会出身だった。「子どもの頃は神父になりたかった」「でも神と直接対話するには『違う身体(=男性)』に生まれる必要があると知ってから、信仰は崩れていった。今でも、何かしらの神様みたいな存在は信じているけれど」と語るレイチェルに対し、ネイトは「このアルバムは、宗教を完全に拒絶していた者が、また神に少しずつ畏怖を感じていることについて触れている」と語る。「Playing Classics」は6分間にも及ぶ、4つ打ちの壮大な曲で、異世界的なピアノのモチーフが、WFYEの世界が位置する不気味な谷をまたぐように鳴り響く。一見シンプルなフォーク・ロックに聴こえる「Blood On The Dollar」では、レイチェルのヴォーカルがこれまでになく生々しく感情豊かに響き、ネイトのギター・ソロがアルバム屈指のソウルフルなカントリー・ロックの頂点を描き出している。
本作『It’s A Beautiful Place』全編を通して感じられるのは、カーブボールのような意外性を武器にしながら、それを確実にホームランへと磨き上げてきたバンドの姿である。重々しくも哀愁を帯びた空気、好奇心と恐れが入り混じったまなざし—まるで『ブレードランナー』に『ウォーリー』のエッセンスをひとさじ加えたようであり、スタンリー・キューブリックとアイザック・アシモフの知的な世界観に『ジェイ&サイレント・ボブ』のユーモアがちらりと顔をのぞかせる。このアルバムに収められた曲たちは、広大な宇宙における人間のちっぽけさや存在意義を問いかけながらも、周囲に広がる美しさに目を奪われるような視線を投げかけている。