Conner Youngblood
ナシュビルに活動の拠点を置くコナー・ヤングブラッドは、様々な変わった楽器の編成を通じてメロディーを作り出す。彼の歌は度々、自然の風景の特定の場所や人間の繋がりを中心にして、 繊細で自然の中の微妙な瞬間とこれらの瞬間の内省を表現する。

多くのミュージシャンが楽器を選んでそれを主要なソングライティングの根幹にする一方、ヤングブラッドは、異なる楽器が彼のソングライティングの様々な重要な場所に入り込むことを可能とする。彼のデビューアルバム『Cheyenne』には、ハープ、ベースクラリネット、タブラなどの約30種類の異なる楽器が含まれている。アルバムの中で、これらの楽器は全てヤングブラッド本人が演奏し、ゲスト奏者はいない。その代わりに、ただシンプルにヤングブラッド自身と、彼が高校生の時に音楽をリリースし始めた時から馴染みのエンジニアのみ。ライブ演奏ではバンド編成とするものの、彼は今までステージで特定の楽器の音を真似したり、ジャネール・モネイやAurora(アウロラ)、SOHN(ソン)、アンガス&ジュリア・ストーンなどのサポートアクトを務めたりしている。

「音楽を聴いている時、 曲を作るためのあなたが考えるいくつかの正しい方法がある。そこであなたは自分が作りたいように作れるということに気づくはずだ。例えば、“あ、ボンゴが叩ける、アコーディオンが弾ける、ギターが弾ける”- その音さえ良ければ」。ヤングブラッドは作曲過程をこのように説明している。彼は最初、クラリネットを習うところから始めたが、誕生日やクリスマスに新しいものをもらったり、地元の店から安い中古の珍しいものを探し出してきたりと、幼い頃から楽器を集めている。

楽器を集め、演奏する彼の生涯をかけたプロセスの結果は、『Cheyenne』が雰囲気のある自然な音に富んだレコードだということを意味する。The Band(ヤングブラッドはイエール大学で勉強していた際に彼らについて論文を書いた)のより控えめな要素と、モーゼズ・サムニーとグラミー賞にノミネートされたボン・イヴェールのソングライター、ジャスティン・バーノンの美しい旋律との間のどこかに位置する。この新アルバムは、人生の中に溶け込んでいるように感じる。ヤングブラッドは何が私たちを人間や地球に形作るのかを追求し、彼自身が見つけたものを音楽へと移す。

知らないであろう人のために、『Cheyenne』のリリースはヤングブラッドが既に築いた実績の基に実現した。ヤングブラッドが“沢山のコンクリート”と称する街、ダラスに生まれ育ったヤングブラッドは、少年期にはスケートボード(ハーフパイプを庭に作ったこともある)やレスリング、地元のコーヒーショップで遊んだりしていた。彼の初期リリース「Monsters」や「Australia」、「A Summer Song」は、リリース直後にHype Machineのチャートで上位に躍り出た。また、何百回、何千回という再生回数を記録し、その中で複数のレーベルからのオファーを引き付けた。

機会があったにも関わらず、ヤングブラッドは音楽の前に学問を追究すると決めた。ヤングブラッドがイエール大学でアメリカ研究を専攻していたことは興味深い点だ。彼の本名は、ニーランド・コナー・ヤングブラッドで、プリンストン大学で人種差別への抗議を訴え座り込みにも参加した元医者の父親の名にちなんで名付けられた。祖父はプリンストン大学から、黒人であることを理由に入学を拒否されており、これらのことがヤングブラッドを強く、重要なアメリカの血筋を継ぐ次世代の者として成長させた。

『Cheyenne』の全13曲それぞれが物語を持つが、各曲は馴染み深いテーマに根ざしている。このアルバムは、ヤングブラッドが広く旅をしていた2年間で作られた。1曲目の「The Bird of Finland」はその完璧な例で、世界中に散らばる場所の調性(*音階を構成する諸音が1つの中心音(主音)に関係づけられている状態)に触れている。「旅をすることは、1カ所に長くとどまりすぎることを心地よく感じないことに対する反応かもしれない。知らない人々に会うことや知らない土地を見ることがとても好きだ」と彼は説明する。「そうとは言っても、家という概念はとても重要だと思う。さもなければ旅行が漂流のように感じるようになる」。

この結果が、旅に影響を受けた『Cheyenne』だが、このアルバムは、ヤングブラッドが彼の人生の中で出会った人々、特に女性から影響を受けた側面も持つ。本質的に、2016年のEP『The Generation of Lift』に続く『Cheyenne』は、ヤングブラッドが彼の恋愛関係について彼自身と内省的な会話をしていることや、その恋愛関係を特定の場所に結び付けていることだ。これらの曲が特にラブストーリーに焦点を当てているという訳ではなく、その代わりにアルバムのトラックは、「来たり、去ったり、とどまったりする人々、家族、友達、元カノ・元カレ、好きな人、嫌いな人」について描いている。

「女性について意識的に曲を書いたことはないけれど、なぜか突然そうなる傾向にあると感じる。そしてこのアルバムでは1曲が次の曲から曲へと繋がった。いつもは場所について書くことを楽しむけれど、今回は違う人々を場所に置いたことが良かった」ヤングブラッドは、作曲過程をこのように説明した。これらの曲のうちの一つで特に際立つ「My Brother’s Brother」は、彼が全員5人の姉妹を持つことから、失恋後に「失恋について話すことができる兄弟がいたらと願う」ヤングブラッドによって作曲されている。

「ほとんどの場合作曲を始める前でさえ、コンビネーションとして試してみたいものを書き出している」ヤングブラッドはアルバムの曲についてこう話した。その曲の多くは頻繁に何週間もかけて苦労して、探られ、もてあそばれ、形にされるべき生き物として生み出された 。「例えば、『Stockholm』ではローランドTR808やハープの曲をやりたくて、そこからどうなるか見てみたかった」。

それが、ヤングブラッドが謙虚に「音楽的ADHD(*注意欠陥多動性障害)」と見なすものであろうが、本当の天才であろうが、『Cheyenne』ははっきりとした音楽の博識者による作品だ。また、 旅が曲の内容に意味を持たせるのと同様に、その旅は全体としてのアルバムのコンセプトの重要な部分を占めている。アルバムのアートワークは、過去数年でヨーロッパの主にアイスランドやマケドニア、フィンランドをツアーした時やアメリカでハイキングをした時に写真を約2,500枚撮影したヤングブラッド(と一緒に旅をしていた友達)によるもの。CDとLPはこれらの沢山の写真やノート、スケッチ、エッセイなど - 基本的にはヤングブラッドがどうやってこのアルバムを作ったかの地図、が載った本が付いてくる。

究極を言えば、ボブ・ディランの誠実なフォークのようなメロディーとベンジャミン・クレメンタインの純粋な音、ジェイミー・ウーンを思わせる楽器を変える習慣の間に位置する『Cheyenne』は、ヤングブラッドが成熟したソングライターであることを示す。彼の音に根ざす少し離れた重要な(彼の音楽への)影響がある中で、コナーの音楽は、予測のつかない楽器のパートと現在の音楽のトレンドとは異なる、変わったメロディーとともに、彼自身の未来の物語を作り出す。

Conner Youngblood

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ナシュビルに活動の拠点を置くコナー・ヤングブラッドは、様々な変わった楽器の編成を通じてメロディーを作り出す。彼の歌は度々、自然の風景の特定の場所や人間の繋がりを中心にして、 繊細で自然の中の微妙な瞬間とこれらの瞬間の内省を表現する。

多くのミュージシャンが楽器を選んでそれを主要なソングライティングの根幹にする一方、ヤングブラッドは、異なる楽器が彼のソングライティングの様々な重要な場所に入り込むことを可能とする。彼のデビューアルバム『Cheyenne』には、ハープ、ベースクラリネット、タブラなどの約30種類の異なる楽器が含まれている。アルバムの中で、これらの楽器は全てヤングブラッド本人が演奏し、ゲスト奏者はいない。その代わりに、ただシンプルにヤングブラッド自身と、彼が高校生の時に音楽をリリースし始めた時から馴染みのエンジニアのみ。ライブ演奏ではバンド編成とするものの、彼は今までステージで特定の楽器の音を真似したり、ジャネール・モネイやAurora(アウロラ)、SOHN(ソン)、アンガス&ジュリア・ストーンなどのサポートアクトを務めたりしている。

「音楽を聴いている時、 曲を作るためのあなたが考えるいくつかの正しい方法がある。そこであなたは自分が作りたいように作れるということに気づくはずだ。例えば、“あ、ボンゴが叩ける、アコーディオンが弾ける、ギターが弾ける”- その音さえ良ければ」。ヤングブラッドは作曲過程をこのように説明している。彼は最初、クラリネットを習うところから始めたが、誕生日やクリスマスに新しいものをもらったり、地元の店から安い中古の珍しいものを探し出してきたりと、幼い頃から楽器を集めている。

楽器を集め、演奏する彼の生涯をかけたプロセスの結果は、『Cheyenne』が雰囲気のある自然な音に富んだレコードだということを意味する。The Band(ヤングブラッドはイエール大学で勉強していた際に彼らについて論文を書いた)のより控えめな要素と、モーゼズ・サムニーとグラミー賞にノミネートされたボン・イヴェールのソングライター、ジャスティン・バーノンの美しい旋律との間のどこかに位置する。この新アルバムは、人生の中に溶け込んでいるように感じる。ヤングブラッドは何が私たちを人間や地球に形作るのかを追求し、彼自身が見つけたものを音楽へと移す。

知らないであろう人のために、『Cheyenne』のリリースはヤングブラッドが既に築いた実績の基に実現した。ヤングブラッドが“沢山のコンクリート”と称する街、ダラスに生まれ育ったヤングブラッドは、少年期にはスケートボード(ハーフパイプを庭に作ったこともある)やレスリング、地元のコーヒーショップで遊んだりしていた。彼の初期リリース「Monsters」や「Australia」、「A Summer Song」は、リリース直後にHype Machineのチャートで上位に躍り出た。また、何百回、何千回という再生回数を記録し、その中で複数のレーベルからのオファーを引き付けた。

機会があったにも関わらず、ヤングブラッドは音楽の前に学問を追究すると決めた。ヤングブラッドがイエール大学でアメリカ研究を専攻していたことは興味深い点だ。彼の本名は、ニーランド・コナー・ヤングブラッドで、プリンストン大学で人種差別への抗議を訴え座り込みにも参加した元医者の父親の名にちなんで名付けられた。祖父はプリンストン大学から、黒人であることを理由に入学を拒否されており、これらのことがヤングブラッドを強く、重要なアメリカの血筋を継ぐ次世代の者として成長させた。

『Cheyenne』の全13曲それぞれが物語を持つが、各曲は馴染み深いテーマに根ざしている。このアルバムは、ヤングブラッドが広く旅をしていた2年間で作られた。1曲目の「The Bird of Finland」はその完璧な例で、世界中に散らばる場所の調性(*音階を構成する諸音が1つの中心音(主音)に関係づけられている状態)に触れている。「旅をすることは、1カ所に長くとどまりすぎることを心地よく感じないことに対する反応かもしれない。知らない人々に会うことや知らない土地を見ることがとても好きだ」と彼は説明する。「そうとは言っても、家という概念はとても重要だと思う。さもなければ旅行が漂流のように感じるようになる」。

この結果が、旅に影響を受けた『Cheyenne』だが、このアルバムは、ヤングブラッドが彼の人生の中で出会った人々、特に女性から影響を受けた側面も持つ。本質的に、2016年のEP『The Generation of Lift』に続く『Cheyenne』は、ヤングブラッドが彼の恋愛関係について彼自身と内省的な会話をしていることや、その恋愛関係を特定の場所に結び付けていることだ。これらの曲が特にラブストーリーに焦点を当てているという訳ではなく、その代わりにアルバムのトラックは、「来たり、去ったり、とどまったりする人々、家族、友達、元カノ・元カレ、好きな人、嫌いな人」について描いている。

「女性について意識的に曲を書いたことはないけれど、なぜか突然そうなる傾向にあると感じる。そしてこのアルバムでは1曲が次の曲から曲へと繋がった。いつもは場所について書くことを楽しむけれど、今回は違う人々を場所に置いたことが良かった」ヤングブラッドは、作曲過程をこのように説明した。これらの曲のうちの一つで特に際立つ「My Brother’s Brother」は、彼が全員5人の姉妹を持つことから、失恋後に「失恋について話すことができる兄弟がいたらと願う」ヤングブラッドによって作曲されている。

「ほとんどの場合作曲を始める前でさえ、コンビネーションとして試してみたいものを書き出している」ヤングブラッドはアルバムの曲についてこう話した。その曲の多くは頻繁に何週間もかけて苦労して、探られ、もてあそばれ、形にされるべき生き物として生み出された 。「例えば、『Stockholm』ではローランドTR808やハープの曲をやりたくて、そこからどうなるか見てみたかった」。

それが、ヤングブラッドが謙虚に「音楽的ADHD(*注意欠陥多動性障害)」と見なすものであろうが、本当の天才であろうが、『Cheyenne』ははっきりとした音楽の博識者による作品だ。また、 旅が曲の内容に意味を持たせるのと同様に、その旅は全体としてのアルバムのコンセプトの重要な部分を占めている。アルバムのアートワークは、過去数年でヨーロッパの主にアイスランドやマケドニア、フィンランドをツアーした時やアメリカでハイキングをした時に写真を約2,500枚撮影したヤングブラッド(と一緒に旅をしていた友達)によるもの。CDとLPはこれらの沢山の写真やノート、スケッチ、エッセイなど - 基本的にはヤングブラッドがどうやってこのアルバムを作ったかの地図、が載った本が付いてくる。

究極を言えば、ボブ・ディランの誠実なフォークのようなメロディーとベンジャミン・クレメンタインの純粋な音、ジェイミー・ウーンを思わせる楽器を変える習慣の間に位置する『Cheyenne』は、ヤングブラッドが成熟したソングライターであることを示す。彼の音に根ざす少し離れた重要な(彼の音楽への)影響がある中で、コナーの音楽は、予測のつかない楽器のパートと現在の音楽のトレンドとは異なる、変わったメロディーとともに、彼自身の未来の物語を作り出す。