Wu Hen
Kamaal Williams
RELEASE: 2020.07.24
ユセフ・デイズとのユニット、ユセフ・カマールでの活躍でも知られるヘンリー・ウーことカマール・ウィリアムスが待望の最新作『Wu Hen』を7月24日リリース!
俺たちがジャズを学んだのは教室ではなくて、ストリートなんだ
- Kamaal Williams (Henry Wu)
トム・ミッシュとの共作で話題のユセフ・デイズと組んだユニット、ユセフ・カマールとしての活動が絶大な評価を受けたことでその名を知らしめ、ヘンリー・ウー名義でフローティング・ポインツが主宰する〈Eglo〉、〈MCDE〉、〈Rhythm Section〉といったレーベルからリリースした12インチが、DJより支持を集めているカマール・ウィリアムス。自身が運営する〈Black Focus〉より待望の最新作『Wu Hen』を7月24日にリリースすることをアナウンスし、同時に新曲「One More Time」を公開した。
『Wu Hen』は南ロンドンを拠点にクロスオーバーに活動するアーティスト、カマール・ウィリアムスことヘンリー・ウーによるセカンド・アルバムであり、これまで以上に聴き手を高みへと誘うアルバムとなっている。
これはマインド革命であり、精神的な反抗だ。新しい高みに到達するためには、物質的な世界から自分自身を切り離し、実体のないものに力を見出すことが必要なんだ。それがアートとか音楽っていうものなんだ。原始的な感情であろうと、何か深いものであろうと、それをただ感じるんだよ。そして、俺の作品全体には潜在的に共通した要素がある。もし絵を描いているなら、それは絵を描いている時に感じることだ。作品を見ている人も、音楽を聴いている人も、それを感じることができる、なぜならそれは嘘偽りのないものだから。 - Kamaal Williams (Henry Wu)
アルバムのタイトル『Wu Hen』は、ヘンリーのおばあちゃんが子供の頃に彼につけたニックネームでもある。彼の台湾側の家系は呉王朝の出身で、呉という名前は「天国への入り口」という意味である。『Wu Hen』では、彼の家系から現在の精神的な使命に至るまでの道のりが描かれており、Othelo Gervacioによる雲のようなカバーアートにもそれが反映されている。
「俺たちがジャズを学んだのは街角であって、教室ではない」とヘンリー・ウーは公言しているが、その言葉は至極真っ当なものだ。彼がアーティストとして受けてきたヒップホップ、グライム、UKガラージ、ハウスに70年代のファンク、ソウル、ジャズを重ね合わせることで、自身が“ウー・ファンク(Wu Funk)”と表現する独自フュージョンを生み出している。
今回のアルバムには、ストリングにミゲル・アトウッド・ファーガソン、べースのリック・レオン・ジェイムス、サックスのクイン・メイソン、ロサンゼルスを拠点にするドラマー、グレッグ・ポール(カタリスト・コレクティブ所属)、ハープ奏者アリーナ・ジェジンスカラ、そしてケイトラナダとの共作で知られるローレン・フェイスがボーカルとして参加している。中でもフライング・ロータスとの共同制作を始めレイ・チャールズ、ドクター・ドレ、メアリー・J・ブライジなどと共作をしているミゲル・アトウッド・ファーガソンは、彼らしい特徴的なストリングスのサウンドを披露しており、鮮やかな色彩と豊かな深みを与えている。
『Wu Hen』は多様な色合いに満ちた作品だ。「Street Dreams」の軽やかで美しいメロディーから「One More Time」の爆発的なブレイクビーツのドラムに繋がるさまは、エロクトロニック・ミュージックとファンクの力強い混成となっている。「Toulouse」と「Pigalle」がロニー・リストン・スミスやジョン・コルトレーンのような古典的な雰囲気を持っている一方、「Hold On」にはコンテンポラリーな感覚があり、カマールはローレン・フェイスの甘美な歌声とともに情感豊かなR&Bサウンドを提示している。『Wu Hen』のスタイルはロイ・エアーズによるフュージョン作品を想起させるところもあれば、それを支えるリズムはむしろ鈍重なヒップホップを思わせるものであり、海賊版ラジオの音声を細かくつぎはぎしたサウンドが、それとはわからないように織り交ぜられている。
待望の最新作『Wu Hen』はデジタル、国内盤CDで7月24日リリース、輸入盤CD/LPは8月14日リリースとなっている。国内盤CDにはボーナストラックが収録され、輸入盤LPは通常のブラックヴァイナルに加え、限定のレッドヴァイナルが発売される。