2007年の秋に取材で訪れたLAで、フライング・ロータスのライヴを初めて見て、インタビューをした。ロータスはちょうど〈Warp〉と契約を交わした直後で、LAのシーンではかなり注目をされていて、ライヴをやったLow End Theoryの会場も彼を目当てに多くのオーディエンスが集まっていた。「最近はアメリカ全土からLAに新しい若い子たちがやって来ているように感じる」とロータスはインタビューで答え、若い才能を紹介していきたいとも言っていた。クリエーターやアーティストの目線だけではないものが、ロータスにはあるのでないか、そう感じたのを今でも覚えている。
 その翌年、2008年にロータスは〈Brainfeeder〉をスタートさせた。そして、サムアイアム、ラス・G、ガスランプ・キラー、トキモンスタ、ティーブス、ローン、マシュー・デイヴィッドら、フレッシュな才能を次々と世に送り出していった。それは、Low End Theoryがビート・ミュージックという新たなムーヴメントをLAに築いていった流れともリンクするものだった。ロータスの〈Warp〉からのタイトルも含めて、この時期、〈Brainfeeder〉がリリースした諸作は、ビート・ミュージックという新たな才能を生み出す基盤を拡張するものだった。
 しかし、2011年になると〈Brainfeeder〉は新たな潮流を生み始めた。オースティン・ペラルタとサンダーキャットのリリースだ。ジャズを学んだミュージシャンたちの新たなムーヴメントをいち早く捉えたのだ。テイラー・マクファーリンやカマシ・ワシントンのリリースがそれに続いた。ジョージ・クリントンとの契約も話題を呼んだ。ロータス自身の音楽がビート・ミュージックという枠組みだけでは捉えられなくなっていったように、〈Brainfeeder〉もまた緩やかに枠組みを崩していった。
 とはいえ、〈Brainfeeder〉がリリースを続ける音楽の中には、ビート・ミュージックやLAの多様な音楽コミュニティから還元されたもの、そしてロータスのルーツの一つにあるジャズがずっと刻み込まれている。
「コルトレーン一家という血筋は重いものであったのも事実だ。だけど、自分はジャズから離れて、こうやってビートで表現する手立てを見い出せたんだ」
 11年前のインタビューでそう答えたロータスの、表現の根幹にあるものはいまも変わらないし、そのアウトプットの一つが〈Brainfeeder〉であり続けているのだろう。現在も〈Brainfeeder〉からは、ロンドンの次世代ハウス・プロデューサー、ロス・フロム・フレンズ、ロータスのライヴ・メンバーでもあるマルチ奏者/プロデューサーのドリアン・コンセプト、 ノウアーの活動でも知られる凄腕ドラマー、ルイス・コールの諸作が次々とリリースされ、カマシのキーボード奏者でもあるブランドン・コールマン、シーンに影響力のあるシンガー/プロデューサーのジョージア・アン・マルドロウとも契約を交わし、それぞれアルバム・リリースも控えている。何れもが新たな期待感を抱かせるものばかりだ。
レーベルであり、コミュニティであり、ムーヴメントでもある〈Brainfeeder〉の10年を心から祝いたい。

原 雅明



Photo by 西槇太一


ジョージ・クリントン Official Interview

―― ブレインフィーダーと契約した経緯は?

ケンドリック・ラマーのアルバム 『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』に参加したのがきっかけでブレインフィーダーと知り合って、そういう話になったんだ。俺はこのアルバム(『Medicaid Fraud Dogg』)をあいつらとやりたかったくらいなんだが、俺の仕事が早すぎたようだね(笑)。俺はこれをブレインフィーダーで出そうと思った、というか真面目にこれはあいつらのところから出すように作ったつもりなんだが、まあ…さすがにもう向こうの準備も整っただろうから…

―― ロータスと直に話を?

したよ。でも、あいつも同じ頃に自分のを作っていたから忙しくて余裕が無かったんだと思う。俺がそこまで準備万端だったとは、あいつも知らなかったんだろう。こっちはいつでもいけたんだが(笑) とにかく、あと二作品、Pファンク・オールスターズのと俺のをやることになっている。

―― そのアルバムについて話せることがあったら教えてください。

タイトルは 『One Nation Under Sedation』。薬やドラッグや保険にまつわる話の続編だ。俺としては今、向こうからの…フライング・ロータスからのインプットを待っているところだな。あいつと一緒に作りたいんでね。

―― 曲づくりはまだ?

まだだよ。まだ話をしているだけ、アイデアの段階だ。

―― サンダーキャットについて、ブーツィーを思い出させると発言していましたが、どんなところが?

まったく新鮮なアプローチでベースを弾いているところ。あいつの知識には、ただただ圧倒される。とにかくフレッシュだ。ブーツィーのプレイも当初、新鮮だった。まるでリードギタープレイヤーのようで。サンダーキャットにもそういうところがある。

―― 自伝の中で、ウェイン・ショーターの音楽が最初は理解できなかった、と言っていましたね。

近所だったんだよ。2ブロックぐらいしか離れていないところに住んでいた。だから、彼やラリー・ヤングJr.が練習しているのをよく目にしたんだが、ああいうアバンギャルドなジャズは…こっちはティーンエイジャーだったからワケがわからず、ホーンが壊れてるんだと思っていたよ。

―― そんなあなたが今、コルトレーン家の親戚であるフライング・ロータスと組んで音楽をやっていると。

アリスがあいつの大叔母なんだよな。うん、あいつもやはり、孫の世代が追い抜いた例さ。文句無しだ。


2018年8月17日 リッツ・カールトン東京にて
通訳:染谷和美


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CAMPAIGN 1
対象商品お買い上げで、Brainfeeder10周年記念ロゴ・ステッカー(3種ランダム/商品に封入)をプレゼント!


CAMPAIGN 2 (応募期間終了!)
対象商品3枚お買い上げで、応募するとBrainfeeder10周年記念特製マグカップもしくはオリジナル・Tシャツが必ず貰える!

応募方法:
対象商品の帯に記載されている応募マークを3枚集めて、必要事項をご記入の上、官製ハガキにて応募〆切日までにご応募ください。

応募ハガキ必須記入事項:
・応募マーク3枚の貼付(郵送中に剥がれないようしっかりとテープなどでお止めください)
・希望賞品[マグカップ or Tシャツ]*Tシャツの場合はサイズを記入
・ご氏名
・ご住所
・ご連絡先 (Eメール/電話番号)

※記入事項に漏れがあった場合、応募無効となりますので、ご注意ください。
※ご記入いただいた個人情報は、本キャンペーンの応募賞品発送以外に使用することは一切ありません。また、発送後は責任をもって破棄させていただきます。
※特典発送の送料はお客様負担とさせていただきますので予めご了承ください。

応募〆切:
2018年12月10日(月) 当日消印まで有効

賞品発送:
2019年1月より随時発送開始

応募先住所:
〒153-0061
東京都目黒区中目黒3-8-15
BEATINK Inc. BRAINFEEDER X CAMPAIGN 宛


CAMPAIGN 3
10月26日より非売品ミックスCDがもらえる新たな店頭キャンペーンがスタート!

Brainfeeder X - Shinka - Mixed by PBDY

10/26発売のジョージア・アン・マルドロウ『Overload』をはじめ、店頭で対象商品を2枚同時購入されたお客様に先着で初CD化音源を含む全28曲入ミックスCD「BRAINFEEDER X “SHINKA” Mixed by PBDY」(非売品)をプレゼント!

〇 期間
10/26(金)〜12/30(日)※各店とも特典無くなり次第終了

〇 対象商品
Ross From Friends [Family Portrait] (BRC574)
Dorian Concept [The Nature of Imitation] (BRC581)
Louis Cole [Time] (BRC575)
Brandon Coleman [Resistance ] (BRC573)
Georgia Anne Muldrow [Overload] (BRC583)
V.A. [Brainfeeder X] (BRC568LTD/BRC568)

〇 特典
『BRAINFEEDER X “SHINKA” Mixed by PBDY』

Tracklist
01. Austin Peralta - "Introduction: The Lotus Flower”
02. Lapalux - “BELOW”
03. Dorian Concept - “J-Buyers”
04. Jeremiah Jae - “False Eyes”
05. Locust Toybox - “For Girls"
06. Georgia Anne Muldrow - “Overload”
07. Dorian Concept - “Pedestrians”
08. Little Snake - “HXD”
09. Mr. Oizo - “Latex”
10. Iglooghost - “Peanut Choker”
11. Ross From Friends - “R.A.T.S.”
12. Thundercat - “Final Fight”
13. Brandon Coleman - “Live For Today”
14. Daedelus - “Battery Smoke”

15. Louis Cole - "Tunnels in the Air (feat. Thundercat)”
16. MONO/POLY - “Ra Rise”
17. Ross From Friends - “Project Cybersyn”
18. LPLX - “DAMSON”
19. Matthewdavid - "Los Angeles Is Beautiful”
20. Georgia Anne Muldrow - “Play It Up”
21. Thundercat - "Lone Wolf and Cub”
22. Strangeloop - “Ghostlines”
23. Teebs - “My Whole Life”
24. Brandon Coleman - “Walk Free (Flying Lotus Remix)”
25. DJ Paypal - “Say Goodbye”
26. Louis Cole - “Things”
27. Miguel Baptista Benedict - “God’s Ghost (knee-growth)”
28. Brandon Coleman - “Resistance”


〇 開催店舗
タワーレコード札幌ピヴォ
タワーレコード仙台
タワーレコード渋谷
タワーレコード池袋
タワーレコード新宿
タワーレコード吉祥寺
タワーレコード秋葉原
タワーレコード横浜ビブレ
タワーレコード町田
タワーレコード新潟
タワーレコード名古屋パルコ
タワーレコード名古屋近鉄パッセ

タワーレコード梅田大阪丸ビル
タワーレコード難波
タワーレコード梅田NU茶屋町
タワーレコード神戸
タワーレコード京都
タワーレコード広島
タワーレコード福岡
タワーレコードあべのHOOP
HMV立川
HMV札幌ステラプレイス
代官山蔦屋書店
FLAKE RECORDS
more records



CAMPAIGN 4
対象店舗にてコンピレーションアルバム『BRAINFEEDER X』を購入すると、CD6枚を収納できるオリジナルCDボックスをプレゼント!

Brainfeeder X 6CD BOX


iTunes プライスオフ・キャンペーン
Thundercat『Drunk』や『The Beyond / Where the Giants Roam - EP』をはじめ、Taylor McFerrin『Early Riser』や Lapalux『Lustmore』など、 2008年から2017年に〈Brainfeeder〉よりリリースされた作品計34タイトルのプライスオフ・キャンペーンがiTunes限定でスター ト!

期間:2018.11.01~2018.12.31




キャンペーン対象商品

ROSS FROM FRIENDS
Family Portrait
BRC-574
2018.07.27 On Sale

DORIAN CONCEPT
The Nature Of Imitation
BRC-581
2018.08.03 On Sale

LOUIS COLE
Time
BRC-575
2018.08.10 On Sale

BRANDON COLEMAN
Resistance
BRC-573
2018.09.14 On Sale

GEORGIA ANNE MULDROW
Overload
BRC-583
2018.10.26 On Sale

VARIOUS ARTISTS
Brainfeeder X
BRC-586
2018.11.16 On Sale


Brainfeeder X POP-UP SHOP

奇才フライング・ロータス初長編監督作品『KUSO』が、2018年8月18日 (土)より渋谷・シネクイントにて1週間限定レイトショー上映決定!“史上最もグロテスクな映画”とも称され、サンダンス映画祭にて退席者続出の問題作、遂に日本公開!

※チケットは 各鑑賞日の2日前より発売予定。詳しくはシネクイント公式 HPをご覧下さい。
www.cinequinto.com/shibuya



Brainfeeder Night in SonicMania

BRAINFEEDER NIGHT IN SONICMANIA

SONICMANIAに〈BRAINFEEDER〉 ステージが登場! 今年設立10周年を迎えたフライング・ロータス主宰レーベル〈BRAINFEEDER〉。サマーソニッ クに引けを取らない強力な出演陣が大きな話題となっている今年のソニックマニアでは、フライング・ロー タス、サンダーキャット、ジョージ・クリントン&パーラメント・ファンカデリックという最高の布陣に加 え、ドリアン・コンセプト、ジェームスズー、ロス・フロム・フレンズら、フライング・ロータスが激推しする逸材が一挙集結!

FLYING LOTUS
THUNDERCAT
GEORGE CLINTON
DORIAN CONCEPT
ROSS FROM FRIENDS
JAMESZOO

08.17 FRI MAKUHARI MESSE
www.sonicmania.jp