ROOTS MANUVA "AWFULLY DEEP"
通常盤1CD : 2100 yen (BDCD072)
限定盤2CD : 2350 yen (BDCD072X)
オビ、ライナー付き輸入盤
2005.01.29 Release
Licenced from BIG DADA Recordings

tracklisting :
Mind 2 Motion / Awrfully Deep / Cause 4 Pause / Colossal Insight / Too Cold / A Haunting / Rebel Heart / Chin High / Babylon Medicine / Pause 4 Cause / Move Ya Loin (feat. Lotek) / Thinking / The Falling / Toothbrush





サウンド・システムへの果てない想い、人間愛。
最新作にしてクラシック。UKの天才ROOTS MANUVAの最高傑作。


ルーツ・マヌーヴァ a.k.a ロドニー・スミスは1999年にファースト・アルバム『Brand New Second Hand』をリリース、2001年にリリースされたセカンド・アルバム『Run Come Save Me』ではUKゴールドディスクを獲得し、またマーキュリーにもノミネートされた。この二つの作品から、彼の評価はグイグイと高まり「美の所有者」、「真似のできないフロウ」、「リリックの密度/濃度はメインストリームのMC達をつまらなくしてしまう」とまで評されるようになる。そして、今回のサード・アルバムでは、51分のピュアなクリエイティビティーと正真正銘本気の取り組みを十分に感じさせる、彼自身のキャリアの中でもベストと言えるアルバムに仕上がっている。そして、このアルバムを“ディープ”とだけ形容する彼は“どれだけこのアルバムが奥深く、またどれだけ深く激しいか”について多くは語らない。ただ、人生はディープであり、その音楽そのものもまたディープだと信じているだけなのだ。仮にその人生が良い物ではなかったとしても。

今作においてロドニーは、自身の作品をより音楽的に積層されたサウンドへと発展させている。これまで受けてきた影響や経験に導かれ、リズムに代わり和音を、ビートよりもむしろメロディーへ力を注いだ。しかし同時に、このアルバムは彼の作品の中でも最も“ダブ”処理が施されているアルバムでもある。洞窟的な深いエコーはより一層響きを増し拡張され、集中砲火のようにベースが響いている。彼にとってこのレコードは、表面的なテンポやスタイルの限界を越え、なおかつ一貫的なフィーリングにこだわり造り込んだ、成熟した音楽と言える。例えば「A Haunting」(M:6)では彼の「祖先」がカリプソを歌い、「Rebel Heart」(M:7)ではダンス・フロアを強烈に染めあげるサイバー・ダンスホール・チューンが収録されている。対極的なサウンドでありながら、間違いなく同一のアーティストによって創られた音楽であると判断できる。

しかし、『Awfully Deep』はヒップホップの荒削りな感覚の中で構築された、ロドニーの作品の中で最も詩的な作品でもある。これは、彼に息子が誕生した事が少なからず影響しているかもしれないが、スミスは“誘惑”や“衝動”に直面した時、どのように判断し正しい行いをするか、という“闘争”について言及している。こうした外的、内的両面での“闘争”も、政治的なテーマもパーソナルなテーマも、いわば聖書と同じぐらい古いテーマである。そうしたテーマは、痛みや葛藤のない陽気でお気軽なテーマでは決してないのだ。もし仮に全てのサウンドが、社会的ではなく大衆へ向けたフィーバー的なものだとしたら…、ハイブリッドなUKブラック・ミュージックだとしたら…、それなら話は早い。ただCDをプレイすれば良いだけだ。ビートに乗って服を脱ぎながら愉快に踊って、お祭り騒ぎをするだけでいい。しかし「Mind 2 Motion」(M:1)のスローなステップ、タイトル・トラック「Awfully Deep」(M:2)のエレクトロニック・サウンド、エレクトロ・サイケな「Colossal Insight」(M:4)の最もルードなセクション、闘争的ステップを感じさせる「Too Cold」(M:5)、「Babylon Medicine」(M:9)や「Move Ya Loin」(M:11)等、そして「The Falling」(M:13)の恐ろしいフィナーレ等から、このアルバムが気軽でただの陽気なポップ・アルバムではない事が分かるはずだ。なぜなら、このアルバムがクラシック且つ"とてつも無くディープ"なアルバムなのだから。


ROOTS MANUVA:
ジャマイカからの移民である両親の元に生まれロンドン南部のStockwellで育つ。両親はキリスト教ペンテコステ派の熱心な信者で、貧しいながらも非常に厳格な家庭であった。幼い頃に体験した、Stockwell周辺地域住民によるサウンドシステム・カルチャーに強い影響を受け、Eek-A-MouseやAsher Senatorのようないわゆるレゲエ"DeeJay"を目指すが、Rakimを初めとしたヒップ・ホップに感化され、"DeeJay"特有のトースティングよりも、表現として自分の声をラップへと活かす事を目指す。

ファースト・アルバム『Brand New Second Hand』、セカンド・アルバム『Run Come Save Me』のリリースにより評価を確固たる物とし、"ギャングスタ・ラップ”とは一線を課した、人間の内的な闘争や人間愛をテーマにした真摯で情熱的なリリック、また独特の声、フロウ、また何よりもUKサウンドシステム・カルチャーに代表されるUKレゲエ、ダブシーンを通過した新たなヒップ・ホップ・サウンドとして絶大な注目を集めている。