Joe Corrales(ジョー・コラレス)は、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインとヒップホップを同時に聴き始めたことから、その音楽的キャリアをスタートさせる。壮大なエレクトロニカにシューゲイザー的ギター・サウンドを乗せ、心地良いブレイクビーツをスパイスとしてブレンドさせた<Ninja Tune>からのデビュー・アルバム「You Are Beautiful At All Times」(2006年11月リリース)はエレクトロニカ・アーティストを好むリスナーから、ニンジャ・アーティストを好むファンまで、幅広い層から熱烈な支持を集めた。3rdアルバムとなる今作『Eighty One』には、趣味のサーフィンをきっかけに、デモ制作途中に出身地のテキサスからカリフォルニアのロング・ビーチに移住したことが大きな影響を与えている。そこで目にした海とビーチこそ、彼が新しい音楽に思い描いていたイメージそのものだったという。広大な海に生じる波の押し引きを連想させる温かくメロディアスなシンセのレイヤーや、屈折しながら水を通る太陽光の様なキラキラと輝くドリーミーで幻想的な音像、さらに生楽器から生み出されるオーガニックなサウンドで幸福感に満ちた壮大なサウンド・スケープを創り上げている。もちろんマイ・ブラッディ・ヴァレンタインを彷彿とさせるシューゲイザー・サウンドとビートを融合させるYPPAH(イパ)らしいアプローチは今作でも健在である。さらにプライマル・スクリームの傑作『スクリーマデリカ』的なサイケデリック・ロックの要素も感じさせる。また、ボノボのツアーで知り合った歌姫アノミー・ベルのフューチャーした初ヴォーカル曲も今作の注目すべき点だ。