2008年に『Great Vengeance and Furious Fire』デビューすると“まるでカーティス・メイフィールドとレッド・ツェッペリンがセッションしたかのよう”と称され、60〜70年代のロック/ソウル黄金時代の普遍的なフレイヴァーをヒップホップ以降の現代の感覚で融合させたグルーヴが絶賛され、瞬く間に多くのリスナーが共鳴した。2009年にリリースされた2ndアルバム『The House That Dirt Built』は本国UKのみならずUSでも大ヒットとなり、15万枚以上のセールスを記録した。
前作に収録された“How You Like Me Now?”は、全米で50%近い視聴率を記録するアメリカン・フットボールの最高の大会、スーパーボウルでプレミア上映された車のCMをはじめ、TVゲーム『Driver: San Francisco』や、クリスチャン・ベイルとマーク・ウォールバーグが主演した映画『ザ・ファイター』のサウンドトラックとしても起用された。また米人気番組“レイト・ショー・ウィズ・ デイヴィッド・レターマン”に出演した際は、レターマンがアンコールをリクエストするという前代未聞の伝説も残している。今作は、時代やジャンル、国境まで越え様々なインスピレーションを寄せ集めたメンバーたちのセルフ・プロデュースとなった。「セルフ・プロデュースを決めたのは自分達のヴィジョンを実現するためには自力でやり遂げなければいけないと思ったからなんだ。通常、3枚目のアルバムの結果次第で残るか消えるか分かれ道になるんだ。俺達は残るつもりで思い切ってやったんだ。」とダンTは言う。
先行シングル“What Makes A Good Man ?”(M-3) はアルバムの中核となる曲で、この曲のレコーディングがアルバム全体の基礎を固める物となった。レッド・ツェッペリンばりの重厚グルーヴと力強いゴスペル・コーラスが見事な高揚感を醸し出し、“Big Bad Wolf”(M-4) ではファンキーなブレイクビーツと怪しげなエレクトロをバックにジェイ・ホーキンズばりの絶叫を披露、ニュー・オリンズ直系のボトムが効いたブラス・ナンバーに仕上がっている。
近年のレトロ・ソウル回帰のストレートなエレジー・ムードを纏いながらも、モダンな鳴りでその歌心が染み渡る“Be Mine”(M-5)ではスワビーのエモーショナルなヴォーカルが、今まで以上にバンド・サウンドとの絶妙な絡み合いを聴かせている。さらには鉈でぶった切ったような凶暴なギターリフとホーンが破壊力抜群の“Same Ol’”(M-6)、“Just My Luck”(M-7) ではブルージーなガレージ・パンクとソウルフルなブリッジが渾然一体となって押し寄せ、狂乱のパーティ・チューンへと昇華される。アルバムの最後を飾る曲“Blood Dirt Love Stop”(M-11) に至っては、かのダニー・ハサウェイによる名カバー“You've Got A Friend”級の大団円ソウルを披露している。