現在空前の大ヒットを記録しているフライング・ロータスを筆頭に、世界にその名が知れ渡る前から、その高い才能を見抜き、人気コンピ・シリーズ『Brownswood Bubblers』などを通して、新たなアーティストをシーンに送り続けてきたジャイルス・ピーターソン主宰の<BROWNSWOOD>が、今回エレクトロニック・ミュージックに特化した初めてのコンピレーション、『Brownswood Electric』をリリースする。もちろん収録曲はジャイルス・ピーターソンのラジオやDJセットの中からセレクトされ、七色の輝く美しい傑作に仕上がっている。このコンピでは世界中のダンス・ミュージック・シーンで典型的に想起される音楽のジャンルが、現代のサウンドシステムに呼応するようにハイブリッドに、そしてフュージョンされながら破壊されており、そこに内在する革新性や実験的精神といったアンダーグラウンド・ミュージックの本質を賞賛している。過去にこれほどまでいわゆる「ヒップホップ」「ハウス」「テクノ」「ダブステップ」や「ドラムン・ベース」などのジャンルを横断した作品は決してなく、ジャンルで音楽を括ることそれ自体を時代遅れに感じるくらいに、むしろそういった境界にこそ、最も印象的でインスパイアリングな醍醐味が現れていると言わんばかりの内容である。異なるジャンルの間に存在するグレー・ゾーンを支配するようなサウンド、すなわち空間の間に潜み、そのギャップを埋めるような音こそ、この『Brownswood Electric』が祝福するサウンドである。
『Brownswood Bubblers』シリーズと同様m今作でもフレッシュな顔ぶれが多数登場する。エストニアからはKiEnRaがメロディックでうねるようなシンセ・サウンドを届ければ、アイスランドからはHypnoが断続的なファンク・テク・ジャムを披露し、ノルウェーの2ステップの巨匠Cluelessは壮大かつ重厚なストリング搭載のポスト・ガレージ・アンセムを放つ。この他にも、Devonwho(Fat City/All City)、Pearson Sound(akaRamadanman-Hessle Audio Boss)、Mosca (Nightslugs/Fabric), George Fitzgerald (Doldrums) 16bit(本作では繊細な面を披露)、Mount Kimbie (Hot Flush)などが名を連ね、2010年のエレクトロニック・シーンを切り開いていく。