LIVE REPORT text by 河村祐介 / photo by SHO KIKUCHI

ADRIAN SHERWOOD その日、UNITのフロアをコントロールしていたのは楽器ではない、ミキシング・コンソールだ。もちろん、ライヴPAのエンジニアが演者の裏方としてコンソールでフロアをコントロールすることは最も重要な当たり前の話なのだが、この日ばかりは違った。ミキシング・コンソールが文字通り、楽器となり、そしてミキシング・エンジニアが演者となった。

この日のために増強されたという、ステージ前にスタックされたサブ・ウーハーから低音の洪水。溢れ出す空気の振動はもはや暴力の域にある。

文字通り、低音と人々に満たされたフロアの向こう側、コンソール前にはせわしなくフェーダーを上下させ、つまみを回し、エフェクトを操る――エイドリアン・シャーウッド、その人がつねにいたのだ。

いわゆる単なる来日公演ではないので、先に概要を説明しておこう。エイドリアン・シャーウッドのこれまでの作品から、まさにベストバウトと言えるが曲ばかりを集めた『Sherwood At The Controls - Volume 1:1979 - 1984』。レゲエばかりでなく、ポスト・パンクやインダストリアルへと接合して見せた1980年代前半のエイドリアンの仕事を浮き彫りにするすばらしいコンピだ。そして、この作品のリリース・イベントとして開催された来日公演は、作品コンセプトに合わせるように彼の様々な側面を示した。

ADRIAN SHERWOOD まずは『Sherwood At The Controls』の楽曲とほぼ時代を同じくする〈ON-U〉のクラシックをプレイする「Mix 1 “Head” At The Controls - ’79 ~ ’89 Classic DJ Set」。さらにはこちらも『Sherwood At The Controls』で示されていた、ラディカルなロック・バンドをダブ・ミックスで新たな次元へと押し込むアヴァン・ダブ、ガチンコ対決な「Mix 2 Nisennenmondai X Adrian Sherwood Live Dub Set」。そしてコンピの先、30年後のシーンにも凛としたその存在感を示すエイドリアンのいまを伝える「Mix 3 All New Selection - Live Multi-Tracks Set」の3セクションからなるイベントとなった。

19時よりスタートした「Mix 1」。彼のキャリアの最初期の最重要作「Starship Africa」からスタートした。DJミックスとはいえエフェクトやフェーダーによる音源のカット&ブーストなどを繰り返し、サイレン・マシンで電子音を繰り出し、サンプラーを叩き緩急をつけて〈ON-U〉のクラシックを繰り出していた。レゲエ寄りのサウンドから、マーク・スチュワートのようなインダストリアルなサウンド、タックヘッド的なエレクトロ・ファンクまでさまざまんなサウンドのスタイルが示されていたが、高音のメタリックな鋭さ、ベースラインなどの低音の野太さといったエイドリアンのサウンドに共通するエレメントを再確認することができた。とはいえ、本ミックスは、この日においてはイントロにすぎない。

ADRIAN SHERWOOD 50分前後の「Mix 1」の転換の後、ステージのコンソールからエイドリアンはPAのコンソール側へ、そしてステージには3人の女性が。にせんねんもんだいの登場である。すでに本イベントに先駆けて、エイドリアンとともに2日間スタジオ入りし、楽曲のレコーディング(リリース日未定)をしていた彼女たち。幸運にもその模様を見学させてもらっていた、もちろんその感想は「これはすごいことになる!」と。ライヴでは、まさに鬼気迫る緊張感で1時間などすぐに過ぎてしまった。ギターとエフェクター、電子音がギリギリと空気を切り裂くなか、ベースはあくまでもパーカッションのように低音を鳴らし続ける。そしてタムなどを排し、バスドラとシンバルを中心に組まれた随分と特殊なドラム・セットからは極めてミニマルなハットの刻みとバスドラが鳴らされる。エイドリアンによるダブはハットやスネアなどへのアプローチを中心に、ミニマルな彼女たちのサウンドにさらなる狂気を示した。まるでハード・ミニマル・テクノDJのロング・セットだと思っていたサウンドが、実はCANとPiLがサイエンティスト(←ここ重要)とともに演奏していた……とそんな妄想を濃縮して、現世に示した、そんな世界観が広がっていた。

ADRIAN SHERWOOD うって変わって「Mix 3」は、エイドリアンのここ数年の活動=ベース・ミュージックとの邂逅を示すもので、「Mix 2」とはまた別の、ダンスフロアにおけるダブの効能をレゲエの作法とともに最大限に届ける、そんな姿が垣間見えた。シャーウッド&ピンチなど最近の楽曲、さらにダンスホール・レゲエや後半にはジャングルまでさまざまなビートを展開。マルチ・トラックの楽曲には、せわしなくエフェクトがかまされた。数本のフェーダーをダイナミックに操る様は、まさに「演奏」である(ちなみに、演奏中iPhoneをいじる姿が度々見受けられたがあれはメールを確認……しているのではなく、Eventide H9というマルチ・エフェクターをワイヤレスで操作していたのだ)。

まさにあっけにとられている間に、低音とエコーの合間の宇宙に放り込まれる。気づいたらUNITのフロアに戻っていた。そんな3ミックス。過去の偉業、さらにはバンド・ライヴ・ミックスとベース・ミュージックという現在でも進化を続ける彼の「At The Controls」を垣間観ることができた。そんなイベントであった。


いよいよ、鬼神エイドリアン・シャーウッド来日!
東京公演にてサブウーファー導入決定!
ポップアップショップではON-Uロゴ刺繍Tシャツ&ポロシャツや限定10インチも販売!

ADRIAN SHERWOOD AT THE CONTROLS X 3

2015.04.18 SAT / DAIKANYAMA UNIT

OPEN / START 18:00

MIX 1
“HEAD” AT THE CONTROLS - ’79 ~ ’89 CLASSIC DJ SET

MIX 2
NISENNENMONDAI X ADRIAN SHERWOOD LIVE DUB SET

MIX 3
ALL NEW SELECTION - LIVE MULTI-TRACKS SET

and more

OSAKA
2015.04.16 THU @ CONPASS

OPEN/START 19:00 ADV.¥4,000(D別)/ DOOR.¥4,500(D別)
TICKET SALE:3月3日発売 / ぴあ、ローソン、イープラス
more info: www.conpass.jp

NAGOYA
2015.04.17 FRI @ CLUB MAGO
more info: club-mago.co.jp

TIME TABLE (東京公演)


18:00- DOOR OPEN 未成年も入場可!

19:00- MIX 1 On-Uファン垂涎!’79 ~ ’89 クラシック DJ Set

20:10- MIX 2 にせんねんもんだい 一夜限りのナマDUBミックスライブ!

21:10- MIX 3 進化系エイドリアン・シャーウッド!マルチ・トラック最新セット

※タイムテーブルは変更が出る場合があります。予めご了承ください。

DOMMUNE


祝 JAPAN TOUR!!DOMMUNEで緊急特番放映決定!!
『Sherwood At The Control x 3』
〜On-U Sound 、エイドリアン・シャーウッドとその時代〜

4/14(TUE)21:00〜
トーク:野田勉(ele-king)、飯島直樹(Disc Shop Zero)、河村祐介、ほか
DJ:PART2STYLE Sound

http://www.dommune.com/

MERCHANDISE


購入者先着特典あり!
●ON-Uロゴ刺繍Tシャツ
●ON-Uロゴ刺繍ポロシャツ
●限定10インチ: レコード・ストア・デイ用に蘇った"Disco Dub Plate" 超限定10インチ・アナログ。Dr.Pablo, Dub Syndicate, The Mothmen, Creation Rebel収録。
●特製On-Uカレンダーをアルバム購入者に先着でプレゼント!

T-Shirts Polo Shirts ONUDP57

TICKET INFORMATION(東京公演)/ ADV ¥4,500(1ドリンク代別途)


[ 販売終了 ]beatkarte+(イープラス)ローソンチケット(Lコード:73361)、チケットぴあ(Pコード:258-381)、Clubberia

[ 当日17時まで販売 ] Eチケット:tixeeRAiFlyer / 会場:UNIT

[ 当日17時まで販売 ]※チケットが無くなり次第販売終了。
HMV Record shopdiskunion(渋谷CMS / 新宿CMS / 下北沢CMS / 吉祥寺店)、TOWER RECORD 新宿店Technique大麻堂DISC SHOP ZERO

[ 当日券 ]¥5,000(1ドリンク代別途)
17:00より会場にて販売開始。 ※チケットが無くなり次第販売終了。

時は70年代後期、混沌とした緊迫感が音楽シーンを包む中、パンク、ファンク、レゲエ、ジャズ・・・ジャンルの壁をブチ破って融合させた革新的な音楽が次々と生まれていた。そのシーンの中心で過激なダブ・ミックスと厚い人望を武器に名だたるアーティスト達を集結させ、刺激的なサウンドを世に送り出し、今なおシーンの最前線を行くUKアンダーグラウンドの狂騒の礎を築いた最重要人物こそがエイドリアン・シャーウッドだ。

故アリ・アップはじめスリッツ、マーク・スチュワート、キース・レヴィン、プライマル・スクリーム、エイジアン・ダブ・ファウンデイション、そしてナイン・インチ・ネイルズ、ノイバウテン、ミニストリーらのインダストリアル勢まで、彼を慕い共に作品を残したアーティストをあげればキリが無い。
レゲエというジャンルや自ら主宰するレーベル〈On-U Sound〉だけにとどまらず、ファンク〜エレクトロ、インダストリアル、さらにはポスト・パンク〜ニューウェイブ期の重要アーティスト達から絶大なる信頼を受け、多岐にわたる名盤の制作に携わってきた。

最近では、ブリストルの若き英雄Pinchとタッグを組み、Sherwood & Pinchとしてデビュー・アルバム『Late Night Endless』を発表。世界的に大絶賛を集め、その評価をさらに高めている。

そして3月には、79〜84年のポストパンク期に若きエイドリアンが手がけたスリッツやマキシマム・ジョイなどの鮮烈な作品を、レーベルの枠を越えて再編したコンピレーション、その名も『Sherwood At The Controls』がリリースされる。

ザ・ポップ・グループが来日公演を完売させ、スリッツのドキュメンタリー映画公開のニュースが話題を呼び、〈Warp Records〉がポスト・パンク期の香りを纏った女性アーティスト、ローン・レディのアルバムをリリースするなど、世界中で同時多発的に発生しているタイムリーな追い風を受け、発売前からバイヤーやライター達の間ですでに熱い反響が数多く寄せられている。

そして今回、その発売を記念したスペシャルイベントの開催が決定!今回のイベントでは、発売されるコンピと呼応する「’79 ~ ’89 Classic DJ Set」、そして最新の「All New Selection - Live Multi-Tracks Set」というエイドリアンのめまぐるしい進化を感じさせる、新旧異なる表情の2つのダブ・ミックスのライブパフォーマンスが行われる。さらに東京公演では、バンドにせんねんもんだいを迎え、当時の熱気を伝えるべく、ライブのダブ・ミックスをその場で行うファン垂涎の特別セットを披露。海外でのツアーをコンスタントに行い、今や世界的に高い評価を集めるバンド、にせんねんもんだいが、UKアンダーグラウンドの伝説との化学反応によってみせる未だかつてないスペシャルなライブパフォーマンスも見逃せない!

その他、Pop-Upショップ、〈On-U Sound〉のドキュメンタリーなど映像上映などのコンテンツも準備中!


ADRIAN SHERWOOD RELEASES

Adrian Sherwood At The Controls

V.A.
Adrian Sherwood at the Controls

BRC-459
On-U Sound/Beat Records
Price: ¥2,200 +tax
Sherwood & Pinch

Sherwood & Pinch
Late Night Endless

BRC-452
On-U Sound/Tectonic/Beat Records
Price: ¥2,200 +tax
Sherwood & Pinch

Sherwood & Pinch
The Music Killer EP

BRE-45
On-U Sound/Tectonic/Beat Records
Price: ¥1,290 +tax
Adrian Sherwood / Recovery Time

Adrian Sherwood
Recovery Time

BRE-42
On-U Sound/Beat Records
Price: ¥1,050 +tax
Adrian Sherwood / Survival & Resistance

Adrian Sherwood
Survival & Resistance

BRC-342
On-U Sound/Beat Records
Price: ¥2,200 +tax


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